<高松宮記念>◇27日=中京◇G1◇芝1200メートル◇4歳上◇出走18頭

涙のG1初制覇! デビュー16年目・丸田恭介騎手(35)騎乗の8番人気ナランフレグ(牡6、宗像)が豪快なイン強襲で、人馬初のG1制覇を飾った。大混戦の直線で内から馬群をこじ開け、首差抜け出した。管理する宗像義忠調教師(67)も、開業30年目でうれしいG1初タイトルとなった。

<こんな人>

丸田騎手は「マルちゃん」の愛称で競馬関係者に愛される。取材は自然と長時間。馬の性格、体調、レースの振り返りなど・・・。話しだすと止まらないが、珍しく「先週の馬で僕、G1を勝てるかもしれません」。そう小声で伝えてきたのが19年12月。中京芝1200メートルの浜松Sを2馬身半差で快勝したナランフレグのことだった。「他の馬が加速していくところで、違うレベルの脚でしたからね」。

翌年3月、目標にしていた高松宮記念は収得賞金が足りなかった。昨年も出走できなかった。「駄目なんだよなあ。これだけいい馬なのに本当に失敗した。僕が馬に遊ばれてしまっているんだ」。昨年の今頃はそう愚痴をこぼし「でも、先生(宗像師)が乗せてくれるので絶対に結果を出さなきゃ」。自らを奮い立たせるように言っていた。

フリーになった今も、朝一番の調教は宗像厩舎の馬に乗る。年男の今年1月。「雪が降ってきて、子どもたちが雪遊びをしたいって言うから夜に公園へ行って。そしたらお財布を拾ったんです。急いで交番に届けましたよ。僕、今年何かいいことありますかね?」。マルちゃん、G1制覇おめでとう。予感は本物だったよ。【中央競馬担当・木南友輔】

◆丸田恭介(まるた・きょうすけ)1986年(昭61)5月20日、北海道旭川市生まれ。中学3年でJRA競馬学校の騎手課程を受験したが不合格となり、進学校の旭川東に入学。03年、競馬学校に合格。22期生として入学したが、実技の習得が遅れ1年留年。07年2月に23期生として卒業し、騎手免許取得。07年3月3日中京2Rで初騎乗。同年5月26日東京5Rで初勝利。JRA通算7949戦427勝、うち重賞は9勝。156センチ、49キロ。AB型。

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