<オーシャンS>◇5日=中山◇G3◇芝1200メートル◇4歳上◇出走15頭◇1着馬に高松宮記念優先出走権

2番人気ジャンダルム(牡7、池江)が好位抜け出しで重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は1分7秒9。荻野極騎手(24)はJRA重賞60度目の挑戦で初制覇した。同馬は17年11月のデイリー杯2歳S以来、約4年4カ月ぶりの重賞優勝となった。今後はコンビ継続で優先出走権を手にした高松宮記念(G1、芝1200メートル、27日=中京)に進み、03年優勝馬ビリーヴとの母子制覇を目指す。

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急坂を“登頂”し終えると、他馬は後ろにいた。ジャンダルムが14頭を引き連れてゴールに飛び込んだ。短距離女王ビリーヴの息子。母の面影が浮かぶ、鮮やかな好位抜け出しだ。初重賞制覇となった荻野極騎手は「いい手応えで直線を迎えてくれて、ラストもしっかり伸びてくれました」と額に光る汗をぬぐった。

17年デイリー杯2歳S以来となる重賞勝利。3歳秋以降、段階的に距離を詰めたが、時に発馬難の悪癖が顔をのぞかせた。昨年はブリンカーを着けたり、外したり。鞍上は試行錯誤を重ねる陣営を積極的な調教参加でアシストしてきた。池江師は「競馬に乗っていない時も、熱心に手伝ってくれた。極が乗るとゲートを出るんですよね」とねぎらう。同騎手騎乗の競馬はすべて道中5番手以内。この日は早め先頭で13着に沈んだシルクロードSを教訓に、好位で仕掛けを待つ余裕があった。ベテラン7歳馬と24歳の融合が、復活までの険しい山道を忘れさせた。

G1優勝が頂上なら、G3勝利は7合目あたりか。池江師は「ビリーヴの子。馬は血統やね。荻野極で高松宮記念に行きたい」とにこやかに話せば、荻野極騎手は「年齢はいっているけど、体のフレッシュさを感じます。強い勝ち方をしてくれたので、今後に期待できると思います」と大舞台での好走を意識した。次戦は母子制覇がかかる高松宮記念。やっと頂点が見える位置にきた。【松田直樹】

ジャンダルム▽父 キトゥンズジョイ▽母 ビリーヴ(サンデーサイレンス)▽牡7▽馬主 前田幸治▽調教師 池江泰寿(栗東)▽生産者 米国▽戦績 26戦6勝▽総収得賞金 2億4215万2000円▽主な勝ち鞍 17年デイリー杯2歳S(G2)▽馬名の由来 アルプス山脈の名峰「アイガー」の絶壁の名

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