＜カペラS＞◇12日＝中山◇G3◇ダート1200メートル◇3歳上◇出走16頭
ダートスプリント界に遅咲きの新星誕生だ。ダンシングプリンス（牡5、宮田）が直線堂々抜け出してJRA重賞を初制覇した。勝ちタイムは1分9秒5。昨年開業した宮田敬介調教師（41）は、13度目の挑戦でうれしい重賞初Vとなった。
今後は出走権を得たリヤドダートスプリント（G3、ダート1200メートル、2月26日＝キングアブドゥルアジーズ）も選択肢の1つにする。
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恵まれた520キロ超えの雄大な馬体が躍動した。モズスーパーフレアが刻む前半600メートル32秒8の激流を2番手追走から堂々抜け出し、最後まで粘り強く走り抜いた。三浦騎手は「絶対にゲートを決めるという緊張感を持っていました。（モズを）いい目標にでき想定したレース展開になりました。時計的に苦しい中でもよくしのいでくれたし、厩舎、牧場の方々がいい状態に仕上げてくれたのが全てです」と会心の勝利を振り返った。
脚部、爪の不安により2度予定を延ばし決して中間は順調ではなかった。懸命に立て直して、昨年3着のリベンジへ最高の出来で臨んだ。宮田師は「牧場とも連携が取れ、オーナーサイドにも馬に合わせて待っていただけましたし感謝しています。厩舎としても苦しい状況でしたがいつも助けてくれる宝物のような存在。先々楽しみです」と、開業初勝利ももたらしてくれた管理馬に感謝した。
今後は馬の状態を最優先にしながらも、出走権を取ったサウジアラビアで行われるリヤドダートスプリント出走も視野に。遅咲きの新星が来年はさらなる高みを目指す。【井上力心】
◆ダンシングプリンス ▽父 パドトロワ▽母 リトルブレッシング（バブルガムフェロー）▽牡5▽馬主 吉田千津▽調教師 宮田敬介（美浦）▽生産者 社台ファーム（北海道千歳市）▽戦績 12戦8勝▽総収得賞金 1億1722万円▽馬名の由来 踊る王子