アイルランドで開業している日本人の児玉敬調教師(51)が20日、ナヴァン競馬場の1R(2歳未勝利戦、芝1100メートル、出走13頭)をトーセンウィッシュ(牡、父ニューベイ)で制した。

カラで開業する児玉師にとっては17年8月27日にカラ競馬場のプレミアハンデキャップ戦(イルーシヴタイム)で挙げた勝利以来、1515日ぶりの勝利となった。アイルランドの競馬を統括する「ホースレーシングアイルランド」の公式ツイッターは「記憶に残る午後になった」とツイート。「レーシングポスト」や「アイリッシュレーシング」などの電子版も児玉師の勝利を大きく伝えている。

児玉師はレース後のインタビューで「私は勝つことがレアなのでうれしいです。イルーシヴタイム(※松岡正海騎手とのコンビで13年のロイヤルアスコット開催に参戦。10歳まで現役で走り、18年9月のラストランには野中悠太郎騎手が騎乗)以来でしょうか」とはにかんだ。

「この馬は島川隆哉オーナーの自家生産馬です。ダンドーク競馬場(オールウェザー)向きの馬だと思っていましたが、柔らかい馬場を上手に走るので、オーナーと騎手と相談し、出走を決断しました。私は15年近く調教師をやっています。何度もやめようかと思ったことがありましたが、毎年、『もう1年だけやってみよう』と言い聞かせてきました。この勝利でまたもう1年、調教師を続けると思います」と瞳を輝かせ、今後について語っている。

児玉敬師は神奈川県の追浜高校を卒業後、国内の牧場で競走馬に触れ、競馬の世界を志した。アメリカ西海岸のサンタアニタ競馬場で働いた後、アイルランドでコン・コリンズ調教師(故人)に師事。その後、自身の厩舎を開業した。10年のゴールウェイ・フェスティバルでは日本から移籍したポップロック(06年メルボルンC2着)で勝利を挙げ、他にもシャドウゲイトやキングストレイルなど日本からの移籍馬を管理した実績がある。日本に短期免許で来日する欧州出身騎手やアイルランドの競馬関係者、エイダン・オブライエン師や息子のジョセフ師などとも親交があり、厳しいアイルランドの競馬の世界をたくましく生き抜いている。

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