<小倉サマージャンプ>◇28日=小倉◇J・G3◇芝3390メートル◇3歳上◇出走8頭

1番人気アサクサゲンキ(せん6、音無)に騎乗した熊沢重文騎手(53)がメモリアルな勝利を飾った。3年ぶりの重賞制覇で障害通算254勝とし、星野忍騎手が持つ障害最多勝記録に並んだ。17年小倉2歳Sを制しているアサクサゲンキは史上14頭目の平地&障害重賞制覇。鞍上とコンビでの偉業達成となった。

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ゴールの瞬間、ステッキを持った右手を強く振り下ろすようにガッツポーズを作った。引き揚げてくると、熱戦を物語るように汗がしたたり落ちる。障害最多勝に並んだ熊沢騎手は「最後は僕が引っ張られるような感じ。えらい馬ですよ」と愛馬をたたえた。

逃げるセプタリアンから離れた2番手を追走。徐々に差を詰めて先頭に立つ。そこからはマサハヤドリームがぴったりマーク。迫られ、並ばれ、また離す。残り600メートルを切るとステッキを連打。必死に追って、突き放した。最後は1馬身半差。「何も注文のつかない内容。いい競馬をしてくれた」と振り返った。

7月18日、小倉1Rの障害未勝利戦を10番人気ツブラナヒトミで勝ち、記録に王手をかけた。それから1カ月あまり、4戦で10、10、6、5着。もどかしい思いもあった。「さっさとせーよって感じですね」と自ら口にしたこともあった。待望の瞬間を、18年京都ジャンプS以来3年ぶり16勝目の障害重賞Vで飾った。

「まだ並んだところなので。タイ記録って、その人の名前が出ないでしょ。やっぱり超えないと」。星野忍騎手は調教師としても活躍し、今年2月末で引退。騎手時代は中山大障害7勝、世界障害騎手チャンピオンシップにも日本代表として出場した。「あせらず、コツコツとやっていきたい」。目標とする大先輩に肩を並べ、今日29日は新潟1Rでアームストロングに騎乗。次の1勝は前人未到の新記録になる。【網孝広】

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