不良馬場の福島民報杯を大差勝ちし、今秋の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月3日=パリロンシャン)に登録を行っているマイネルウィルトス(牡5、宮)が1日、目標の函館記念(G3、芝2000メートル、18日)へ向け、函館競馬場で調整を開始した。前日の6月30日に放牧先の真歌トレーニングパークから帰厩。帰厩翌日は角馬場で体をほぐした後、ゆっくりとウッドチップコースを1周した。

「大きく変わらずにきています。とても扱いやすい馬なので」と笑顔の渡井厩務員。函館競馬場に入るのは初めてだが、調教後に洗い馬で新しい蹄鉄(ていてつ)に打ち替えると、落ち着き払った様子で自らの馬房に入り、与えられた食事をほおばった。

新潟開催となった今年の福島民報杯(リステッド、芝2000メートル、4月18日)で見せた走りは衝撃だった。前走で3勝クラスの壇之浦Sを勝ったばかり。重賞どころか、オープンクラスのレースを一度も走ったことのない馬が直線半ばで先頭に立つと、並み居る重賞ウイナー、重賞競走の常連馬たちをぶっちぎった。2着プレシャスブルーに1秒8の大差。不良馬場で、メンバー最速だった自身の上がり3ハロンは39秒3という数字だった。「ビックリしましたよ。時計がかかるのはいいので、道悪はいいと思っていた。早めに先頭に立ったので、頑張れと思って応援したけど・・・」。デビューから担当する渡井厩務員も驚く圧勝劇だった。

「数字も見た目も大きくは変わっていないので、中身がしっかりしてきたということでしょう。いい相手と走ってきたのもあるけど、なんで1勝クラスであんなに勝てなかったのかな、と思います」。2歳9月の新馬戦で3着。デビュー3戦目に勝ち上がったものの、2歳暮れから3歳春にかけ、3歳500万クラス(現1勝クラス)のこうやまき賞、千両賞、白梅賞、こぶし賞で4戦連続の2着を記録した。なかなか勝ち切れなかった馬が3勝クラス、リステッドを連勝し、凱旋門賞へ登録するまでに激変するとは・・・。

「お母さんのマイネボヌール(芝短距離で4勝)もおばあさんのコスモフォーチュン(06年北九州記念制覇)も担当していたので、3代続けてやらせてもらっています。ボヌールとフォーチュンは牝馬でカリカリしたところがあったけど、ウィルトスは牡馬で落ち着いている。丹内騎手とも相性がいいですね。調子が上がると、好調が長続きするタイプなので、今回は休み明けになるのと、重賞になるのがどうかだと思います。週末、来週、再来週とやって、仕上げていければ」(渡井厩務員)。

ビッグレッドファームの生産馬で、所有するのはサラブレッドクラブ・ラフィアン。牧場とオーナーは今年のオークス(ユーバーレーベン)で歓喜のクラシック初制覇を果たした。凱旋門賞遠征の実現へ向けた試金石の一戦となる函館記念。マイネルウィルトスがどんな走りを見せるのか、ゴールの瞬間まで目が離せない。

◆函館記念はハンデ戦 2着に大差勝ちの福島民報杯だが、JRAのホームページに掲載されているマイネルウィルトスのレーティングは「103」と平凡。不良馬場のため、2着以下が全然能力を発揮できなかったレースという見方ができる。重賞初挑戦ということもあり、ハンデが極端に重くなることはなさそうだ。

◆戦前から続く牝系 今年の凱旋門賞に登録を行っている日本調教馬6頭のうち、3頭は戦前に日本へ輸入された牝馬がルーツとなっている。レイパパレは小岩井牝系(小岩井農場が1907年=明治40年に英国から輸入した牝馬)の1つ、フロリースカップ系(スペシャルウィーク、メイショウサムソン、ウオッカなど)から出た馬で、マイネルウィルトスも同じく小岩井牝系のアストニシメント系(クリフジ、メジロマックイーンなど)の出身。ディープボンドは8代母が英国から輸入された1923年生まれの牝馬セレタだ。

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