笠松競馬所属の騎手や調教師らが馬券を不正購入していた事件で、岐阜県地方競馬組合は21日、記者会見を行い、馬券購入に関与していた元調教師ら12人を競馬関与禁止および停止処分にした。

組合管理者の笠松町の古田聖人町長、構成団体の古田肇岐阜県知事は監督責任があるとして減給。再発防止策も発表した。

馬券購入を行ったグループの中心的役割を担った元調教師と元騎手の計4人は、競馬への関与を無期限に禁じる処分。馬券購入に関わったり、情報提供して金品をもらったりした現役の騎手や調教師計8人は最長で5年、最短でも6カ月の競馬関与停止とした。

再発防止策としては、笠松競馬の新たな管理者に副知事を充て、笠松町長は副管理者とした。また、レース前に騎手が寝泊まりする「調整ルーム」が馬券購入の情報提供の場になったとして、監視を強化。組合内には公正性確保を担当する課を設ける。

なお、笠松競馬はこの件の調査のため、1月19日から開催を自粛している。

【笠松競馬関係者の馬券不正購入問題経過】

◆1月19日 同日から22日までの開催中止を発表。所属する騎手や調教師が名古屋国税局から申告漏れを指摘されたとの報道を受け「事実確認を行うため自粛する」とした。岐阜県の古田肇知事は、笠松競馬関係者が競馬法に違反して馬券購入に関与したケースがないか、第三者委員会を設置して調べると明らかにし、22日以降のレースも当面中止すると表明。

◆1月22日 笠松競馬を管轄する岐阜県地方競馬組合は、笠松競馬関係者が名古屋国税局から所得税の申告漏れの指摘を受けたとの報道を受け、真相解明と再発防止等の検討を行うため、第三者委員会「笠松競馬不適切事案検討委員会」を設置したと発表。

◆2月2日 岐阜県地方競馬組合が、新たに2月15日から5日間の笠松競馬の開催自粛を発表。

◆2月16日 岐阜県地方競馬組合が3月1日から5日までの笠松競馬の開催自粛を発表。

◆2月26日 岐阜県地方競馬組合が3月16日から19日までの笠松競馬の開催自粛を発表。

◆3月10日 岐阜県警が競馬法違反の疑いで、笠松競馬の元騎手の男性3人と、元調教師の男性1人を書類送検。このうち38歳の元騎手は、馬券購入のための口座を知人から譲り受けたとして、犯罪収益移転防止法違反の疑いでも書類送検された。4人の容疑は、共謀してインターネットの馬券購入サイトで笠松競馬の馬券を購入した疑い。

◆3月29日 総務省が笠松競馬について、レース開催に必要な指定手続きをいったん保留し、審査を継続すると発表。また岐阜区検が、競馬法違反罪で書類送検された4人を略式起訴。

◆4月1日 岐阜県地方競馬組合は、第三者委員会の調査報告書を発表。略式起訴された元騎手と元調教師の4人を含む計8人の騎手と調教師が不正購入に関わり、約1億4000万円の利益があったと明らかにした。また、報告書は対策の不徹底を同組合の「怠慢」と断じたが、騎手が不正敗退行為(いわゆる八百長)をしたとの事実を認定するには至らなかった、とも記した。他に調教師の所得税申告漏れやセクハラも明らかにされ、古田肇知事は「多くの不適切事案が明らかになり、深刻に受け止めている」と述べた。

◆笠松競馬場 所在地は岐阜県羽島郡笠松町若葉町12。開場は1935年(昭10)。80年代後半にブームを巻き起こしたオグリキャップの出身競馬場。騎手として地方競馬から初めてJRAに移籍した安藤勝己元騎手も在籍していた。コースは1周1100メートル。直線238メートル、幅20メートル。最大出走頭数12頭。名鉄笠松駅から徒歩3分(笠松駅までは名鉄名古屋駅から約25分、名鉄岐阜駅から約4分)。

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