JRAは10日、JRAの騎手、調教師及び調教助手などの厩舎関係者が、新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不適切に受給していたことについて、2度目の調査結果報告説明会を中山競馬場、阪神競馬場で行った。調査結果を踏まえて、調教師会、騎手クラブ、JRAはそれぞれ処分を決定した。

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持続化給付金の不適切受給問題で処分が出た。受給した騎手全13人、その他厩舎関係者も6人が各所属団体より戒告処分となった。実名を伏す処分に対して、一部調教師は「甘い」と声を上げる。自分も2回に渡る説明会に出席して、世間の肌感覚とは隔たりがあると感じた。

今回の件を指南した大阪の男性税理士に対しては、何も処分がなかった。いや、できなかった。もやもやが残るのはそのせいだ。基本的に規則は前例に追従する。持続化給付金自体が昨年にできた制度。現行の競馬に関連する法規には、これに対するルールがない。いわば、無力だった。

馬主でもある男性税理士は自主的に所属する馬主協会の役員などの役職を辞したという。だが、所有馬がレースに出走すれば常に今回の事案が頭に浮かぶ。受給した競馬関係者にペナルティーはあったが、裏で手を引いた人間はノーダメージ。はっきり言って、無理がある。

件の男性税理士が不適切な受給を誘導し、競馬の社会的信用は大きなダメージを被った。だからこそ、JRAには毅然(きぜん)とした態度を取ってほしかった。今回のケースは法の隙間を突く立ち回りだったため、法令に基づく馬主資格の停止、剥奪が難しいのはわかる。それでも、馬主の活動には何かしらの制限をかけた方が良かったのではないか。

2度の説明会では理事長は書面でコメントを出すのみ。これだけの事案だったのだから、団体のトップが自ら説明会に出て説明してほしかった。JRA、日本調教師会、日本騎手クラブが再発防止に取り組むのは当然のこと。それに加えて、JRAは直接的な競馬開催に影響を及ぼさなくても、公正確保の観点とは外れた事案が発生した場合のための、ガイドラインの策定や制裁を科す制度を導入すべきだ。【中央競馬担当・松田直樹】

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