通算52戦のキャリアを重ね19年朱鷺S、20年東風Sなどオープンで2勝を挙げたストーミーシー(牡8、斎藤誠)は屈腱(けん)炎のため10日付で競走馬登録を抹消され、現役を引退することが8日、分かった。今後は北海道新冠町の太平洋ナショナルスタッドで種牡馬入りする予定。管理する斎藤誠師が明らかにした。通算52戦5勝。

15年7月にデビュー後、競走生活約5年半にわたり屋台骨として厩舎を支えたストーミーシーが現役生活を終える。ここまで大きな故障もなく、コンスタントにレースに使われてきた。デビュー時から安定した鋭い決め手が持ち味だった。16年のニュージーランドTでは14番人気ながら猛烈な追い込みで勝ち馬ダンツプリウスの鼻差2着に食い込み、馬連2万2190円の波乱を演出。20年東風Sでは好位から抜け出す鮮やかな勝利を決めた。近走は前々での競馬も板に付き、さらにレース幅を広げ安定感を増してきていた。

斎藤誠師のコメント 「昨年から疲れが見えていて脚もとを心配していましたが、屈腱(けん)炎のため引退することになりました。まさに無事是名馬で厩舎にとても貢献してくれました。ただ重賞では壁があったようで、もう少しにぎわせたかったというのはあります。19年の朱鷺Sは厩舎として2年連続で同レースをワンスインナムーンで勝っていて、この子が厩舎3連勝を決めてくれてすごく印象に残っています。4連勝は逃しましたが20年もこの子が2着に来てくれて、新潟の1400メートルが一番合っていたように思います。お母さんのリーベストラウムもやらせてもらっていたし、自分の携わった馬が種馬になると感じられるものが違います。(重賞勝ちがなく)成績にパンチはありませんが、走る子を出してくれたら面白いですしこれが競馬の醍醐味(だいごみ)ですよね。この子の果たせなかった重賞を子どもで取るという夢をつかみたいと思います」

長く現役生活を続けてきた丈夫な体は、種牡馬としての価値を一層高めたはずだ。同馬は1400メートルから1600メートルが守備範囲だったが、折り合い難がない点や父アドマイヤムーンが中距離タイプだったこともあり、配合次第では距離の融通も利きそう。パワーあふれる走りや重馬場を苦にしなかった点、フォーティーナイナー系の血統背景からダートにも適性を見いだす可能性を秘めている。重賞制覇は産駒に託された。

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