優勝賞金1000万ドル(約10億5000万円)。世界最高賞金をかけてサウジC(ダート1800メートル)がキングアブドゥルアジーズ競馬場で20日(日本時間21日午前2時40分発走予定)に行われます。国の威信をかけて行われた昨年の第1回はフルゲート14頭のうちG1ウイナーが10頭を占める豪華版。1着マキシマムセキュリティ、2着ミッドナイトビズーともに米国のダートG1馬でした。

今年もフルゲート14頭が出走予定ですが、G1馬は米国のシャーラタン(牡4、父スペイツタウン)とニックスゴー(牡5、父ペインター)、日本から挑むチュウワウィザード(牡6、大久保)。サウジアラビアから帰国後、芝の仏ダービーを制したミシュリフ(牡4、父メイクビリーヴ)の4頭にとどまり、昨年に比べるといささかスケールダウンした感は否めません。

チュウワにとって3頭のG1馬だけがライバルとは限りませんが、それでも倒すべき大駒が少ないのは好材料。是が非でも逃げたいニックスゴー、これにプレッシャーをかけて直線入り口で先頭に立ちたいシャーラタンが意識し合えば、チャンピオンズCと同様に徐々にポジションを上げてしまいに懸けるチュウワにとっておあつらえ向きの展開が予想されます。

もう1頭のG1馬ミシュリフは初ダートとなった昨年のサンバサウジダービーカップ(ダート1600メートル)でフルフラットの2着したレースが光ります。フルフラットの勝利確定後とはいえ、大きなフットワークで徐々に差を詰めて前を行くファイナルソング(3着)をきっちりとかわしたレースぶりは今年につながるもの。鞍上は昨年のD・イーガン騎手から主戦のL・デットーリ騎手にスイッチ。J・ゴスデン師はこのコンビで今年の凱旋門賞まで視野に入れています。直線で勝負がもつれるようなら、あっと言わせる場面もあるかもしれません。

これ以外の10頭の出走馬もそれぞれのサイドストーリーを携えて一獲千金をもくろんでいますが、勝ち馬は「トップ4」から出る可能性が高いようです。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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