道産子高校生が地元ホッカイドウ競馬の騎手を目指す。浦河町出身の宮内勇樹さん(浦河3年)と石狩市出身の阿岸潤一朗さん(静内農2年)が、13日から地方競馬教養センター(栃木・那須塩原)で行われる第104期騎手候補生の試験に挑む。

2人はホッカイドウ競馬でのデビューを希望しており、昨年度18人と全国でも騎手不足が顕著な同競馬にとって希望の星となる。

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サラブレッドの町、浦河で生まれ育った宮内さんは年明けの2日、馬に乗って神社を参拝する町の伝統行事、騎馬参拝に参加。人馬の無病息災を祈願した。幼少期から乗馬を始め、昨年12月の日本少年団連盟馬術選手権では準優勝した。昨年はコロナ禍で高校総体、国体が中止になり、この大会にかける思いは強かった。「昨年は予選落ちをしてとても悔しかった。まだ課題はありますが、練習の成果を発揮することができた」。次は培った乗馬技術で騎手の道を志す。

中央競馬でG1・7勝を挙げたテイエムオペラオーの生産牧場など、競走馬に携わる親類が多い。騎手を志すのは自然な流れだった。「4歳の時に両親に初めてホッカイドウ競馬に連れていってもらい、その時から騎手になるのが将来の夢になった」。小2からポニー少年団に入り、ほぼ毎日のように馬に乗るのが日課になった。

浦河第一中の先輩には、カナダを拠点に活躍し今年1月に日本人初のエクリプス賞(北米の年度代表表彰)を受賞した木村和士騎手(21)がいる。「身近な方でニュースを見るたびに刺激を受けている。少しでも近づいていきたい」と大きな夢を追いかける。

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阿岸さんは覚悟をもって試験に臨む。新年の神社参拝では絵馬に「騎手試験 合格!!」と書いた。全国で唯一サラブレッドを生産する静内農の2年生。合格すれば高校を1学年を残し中退し入所する。「卒業してからでも遅くないが、騎手は体重制限もあり、先はどうなるか。早くプロになって活躍したい」。曇りひとつない澄んだ目は、意志の強さを感じさせる。

日本海に面する石狩・浜益の出身。野球少年だったが、小6の時にテレビで偶然目にした競馬のレースが騎手を志すきっかけとなった。「人馬が全力で疾走する姿がとにかく格好良かった」。中学では陸上競技の大会で100メートル11秒94の好タイムで優勝して周囲を驚かせたが、騎手への夢がぶれることはなかった。

そのため馬術部のある静内農に進学し、本格的に乗馬を始めた。パートナーは同校の生産馬ユメロマン。中央競馬で新馬勝ちするなど話題になり、同校に戻って乗馬となった。「生きる教材」で馬術を磨いてきた。「ロマンにはいろいろなことを教えてもらった。将来はコスモバルクやオグリキャップのように、地方競馬から大きなレースを勝てるような馬で活躍したい」と目を輝かせた。

◆騎手への道(地方競馬) 地方競馬教養センターの騎手課程試験は合宿形式で今年は13~15日に実施。応募資格は21年3月中学卒業見込みから同4月1日現在で20歳以下。身体測定や運動能力検査、面接などが行われ、合否発表は2月下旬。センターの養成期間は2年。学科は競馬関係法規や栄養学など。実技は第1、2学期(各6カ月)が基礎馬術訓練など、第3学期(4カ月)が競走訓練、第4学期(8カ月)で競馬場実習、総合訓練を行う。この間に行われる試験に合格すればデビューとなる。

◆ホッカイドウ競馬騎手の推移 98年度は32人が所属し、30人が道内出身の騎手、2人は道外出身と他競馬場からの移籍騎手だった。所属騎手は年々減少傾向となり、07年までは30人前後で推移してきたが、ベテラン騎手の調教師転身などもあり、08年から25人前後に。18、19年はともに21人で、昨年度は18人に減少した。うち道内出身は7人。19年に新ひだか町出身の小野楓馬(20)が、16年ぶりの道産子騎手としてデビューした。

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