G1・8勝馬アーモンドアイ(牝5、国枝)がジャパンC(G1、芝2400メートル、29日=東京)に参戦することが12日、分かった。このレースが引退戦となる。登録のあった香港国際競走なども次走の候補に挙がっていたが、18年に2分20秒6のスーパーレコードで勝っている東京2400メートルの舞台がラストランに選ばれた。

ついにお別れの時がやってきてしまう。同馬を所有する(有)シルクレーシングの米本昌史社長は「この秋を迎えるにあたり、国枝師と話をして大目標を天皇賞・秋に据えていました。その後はジャパンCを構想のひとつとして共有していました。コンディションや海外の情勢を鑑みると、ジャパンCがラストなのかなと判断しました」と話した。

牝馬3冠達成の第1章となった18年桜花賞以降は、G1ばかりを走り続けてきた。積み上げた芝G1勝利数は日本馬で単独トップの「8」。クラブの規定では牝馬の引退は6歳3月となっているが、その期限を待たずして、ひと足早くターフを去ることになる。

17年8月6日新潟芝1400メートル(2着)のデビューから3年4カ月弱。現役最強の名を欲しいままにしてきた。史上初の8冠達成となった前走の天皇賞・秋は2着馬が天皇賞・春連覇のG1・3勝馬フィエールマン、3着馬が宝塚記念6馬身差圧勝のG1・2勝馬クロノジェネシス。アーモンドアイの他にG1馬6頭が出走したレースで史上2頭目の秋盾連覇を成し遂げた。

前走後、主戦のルメール騎手は「いいパートナーです。ラブストーリーみたい。一年中ずっとプレッシャーですが、そのプレッシャーも好き。アーモンドアイを愛しています」と涙交じりに相棒への思いを明かしていた。

現在、アーモンドアイはIFHA(国際競馬統括機関連盟)が定める今年の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」において、先日引退したエネイブル(17、18年凱旋門賞連覇などG1・11勝)に並ぶ世界ランキング6位タイ(124ポンド)の評価を受ける。名実ともに今、日本で最も強い競走馬。引退戦は世界中のホースマンも注目する一戦になる。

自身の走りで花道を飾る。古馬の強豪に加え、今年はコントレイルとデアリングタクトの無敗牡牝3冠馬も参戦する予定となっている。期せずしてドリームマッチが東京芝2400メートルのチャンピオンコースで行われる。米本社長は「ジャパンCというレースは日本最高峰の馬たちが集まる場所。無敗の3冠馬たちが出てくるのは、必然と言ってもいいでしょうし、アーモンドアイのラストランにふさわしいと思います。すばらしい馬同士がぶつかるのは個人的にもわくわくします」と新旧3冠馬激突にも胸を躍らせた。

勝てばさらに記録が塗り替えられる。芝G1・9勝はもちろん、1着賞金3億円が加われば総収得賞金は19億円を超える。12日時点で歴代1位のキタサンブラックが稼いだ18億7684万3000円を上回り、トップに躍り出る。「これだけ偉大な記録を積み上げてきたことは本当にすばらしいと思います。馬には感謝しかありません」。

1800~2400メートルの中距離戦は、全てG1を走っていながら6戦6勝と負けなしだ。同馬は大団円に至るべく、ノーザンファーム天栄でリフレッシュ放牧中。近日中の帰厩が予定されている。「タフなレースを経験したので、今は牧場でケアをしている状況です。ジャパンCに向かう準備としては、シナリオ通りにきています」と米本社長。“最後”の走りも衝撃のパフォーマンスを期待せずにはいられない。

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アーモンドアイ▽父 ロードカナロア▽母 フサイチパンドラ(サンデーサイレンス)▽牝5▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 国枝栄(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 14戦10勝(うち海外1戦1勝)▽総収得賞金 16億1202万9900円(うち海外3億9570万900円)▽主な勝ち鞍 18年日刊スポーツ賞シンザン記念(G3)、桜花賞(G1)、オークス(G1)、秋華賞(G1)、ジャパンC(G1)、19年ドバイターフ(G1)、天皇賞・秋(G1)、20年ヴィクトリアM(G1)、天皇賞・秋(G1)▽馬名の由来 美人とされる顔の目の形

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