カナダを拠点に活躍中の木村和士騎手(21)が騎乗したグレツキーザグレート(牡2)がサマーS(G1、芝1600メートル、カナダ・ウッドバイン)に勝って、BCジュベナイルターフ(G1、芝1600メートル、11月6日=キーンランド)の出走権を獲得しました。

カナダ産の同馬はこれで4戦3勝。木村騎手とのコンビで7月の芝1000メートルでデビュー(2着)し、2戦目で初勝利。4戦目となった2歳G1挑戦は1番人気に応えて2着に3馬身1/4差をつける完勝でした。

同騎手は1月に北米の年度代表表彰にあたるエクリプス賞で最優秀見習騎手賞を受賞。12日にカナダ版ダービー、クイーンズプレートを制した福元大輔騎手(22)と並び、今やカナダ競馬に欠かせない日本人騎手のツートップです。

グレツキーザグレートの父ナイキストは、デビューから8連勝で16年ケンタッキーダービーを制した名馬で今年の新種牡馬。アイスホッケー界のレジェンド、W・グレツキーをたたえた馬名は同じくNHLで活躍中のG・ナイキストから連想されたものです。

オーナーのG・バーバー氏は日本でもヒットした映画「シービスケット」や「SAYURI」などを制作したハリウッドの大物プロデューサーで、趣味の競馬ではウォーオブウィルが昨年のプリークネスSを優勝しています。

管理するM・キャシー調教師はカナダ競馬の第一人者で今年は米国競馬の殿堂入りを果たすなど、こちらも北米を代表するホースマン。木村騎手の手腕はこれら大物からも多大なる信頼を得ているようです。

米国の芝2歳のチャンピオンを決めるBCジュベナイルターフは、アイルランドのG2ウイナーで優先出走権を持つキャデラックが本命視されていてグレツキーザグレートは現在2、3番手の評価。コロナ禍の影響で木村騎手の米国での騎乗は不透明ですが、日本人騎手のBC初優勝があれば、その1番手は木村騎手で間違いなさそうです。

【奥野庸介】(ターフライター、ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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