<セントライト記念>◇21日=中山◇G2◇芝2200メートル◇3歳◇出走12頭◇3着までに菊花賞優先出走権

内田博幸騎手(50)が騎乗した4番人気バビット(牡、浜田)が逃げ切った。ラジオNIKKEI賞に続く重賞連勝で4連勝。勝ち時計は2分15秒0。胸を張って菊花賞(G1、芝3000メートル、10月25日=京都)に進む。2着サトノフラッグ(牡、国枝)、3着ガロアクリーク(牡、上原)までが優先出走権を手にした。

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黄金のたてがみが稲穂のように揺れる。バビットが最後まで先頭を譲らなかった。直線の急坂を上ってもなお、脚色は衰えない。4角でまくるサトノフラッグ、1列後ろをマークしていたガロアクリークが近づくと、また伸びた。坂下で1馬身差にまで詰め寄られたリードを、最もつらい坂上で1馬身半差に広げてゴールした。内田騎手は「4角を回ってからの走りが力強く、スピードに乗ってくれる。相変わらずいいスタミナ」と最敬礼した。

脅威の二枚腰で重賞連勝を成し遂げた。2、3着は3月に重賞を勝った実績馬。2勝馬が出走馬の大半を占めた前走ラジオNIKKEI賞とは相手が違う。鞍上は「(前走が)フロック気味に見られていたから、ここでどういうパフォーマンスをするかと思っていた。しぶとい粘りを見せてくれた。楽しみです」と胸を張った。

04年コスモバルク以来、史上4頭目の逃げ切りは、大きな伸びしろを残してのものだった。浜田師は「1週前の動きが『うーん・・・』という感じで。今日の出来で勝てたのは大きい。道中で物見していたし、余裕があったのかな」と振り返る。中間は当週に日曜追いを取り入れるなど、調整に修正を重ねた。半信半疑の出来ながら、想像を超える走りを見せた。

打倒コントレイルにも名乗りを上げた。逃げて4連勝の勢いはもう本物だ。内田騎手は「距離は延びるけど、折り合いはつくので。この馬のレースができれば十分チャンスはあると思っている」と無敗2冠馬の3冠阻止をもくろむ。春はクラシックに間に合わず、裏街道を歩んできた素質馬。最後の1冠で菊の大輪を咲かせにいく。【松田直樹】

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