3日間開催の今週は牡牝3冠レースのトライアルが東西で行われる。日曜中京メイン・秋華賞トライアルのローズS(G2、芝2000メートル、20日、3着までに優先出走権)では無敗2冠デアリングタクト(杉山晴)への挑戦権をかけ各馬がしのぎを削る。ラインオブダンス(矢作)は骨折休養明け3戦目で秋華賞切符に挑む。

コントレイルで無敗牡馬3冠を狙う矢作厩舎が牝馬ラスト1冠へ向け、ラインオブダンスを送り出す。早くから素質を高く評価していた。骨折による休養で春は棒に振ったが、復帰後は順調そのものだ。

昨年10月、アルテミスSで0秒4差の4着。外から伸びたリアアメリアに屈したが、好位のインから粘り込み、見せ場は十分つくった。その後、骨折が判明し休養を余儀なくされた。11月デビューから4連勝のデアリングタクトとは当然、未対戦のままだ。

復帰はオークス後、6月の阪神。4着に敗れたが、1度使われた前走は小倉の1勝クラス を快勝した。中団から3~4角で押し上げ、直線で抜け出す強い競馬だ。岡助手は「軽い骨折で休んだ。休み明けをたたいて、2戦目をあっさり勝つあたりが、1勝クラス では能力違う」と、あらためて素質の高さを感じる。

休み明け3戦目で迎えるトライアルは仕上がり良好だ。1週前追いは坂井騎手を背に馬なりで坂路4ハロン54秒2-12秒5。「いい負荷をかけられた」と上積みは十分。初の2000メートルにも不安はない。「ハーツクライなので2000メートルはこなす。折り合いも全然問題ない。競馬のしやすい馬です」。左回りも経験済みで、期待は高まる。

ストロングポイントはしまいの加速だ。新馬戦から3戦連続で上がり最速をマーク。前走もゴール前の加速は出色だった。「調教から、しまいの脚をしっかり使える。2000メートルでもそれを出せると思う。最後の1冠に行ければ」と岡助手。リーディング矢作厩舎の“隠し玉”がトライアルでベールを脱ぎ、2冠馬への挑戦権を手に入れる。【網孝広】

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