<札幌2歳S>◇5日=札幌◇G3◇芝1800メートル◇2歳◇出走14頭

競馬史を白く塗り替えた。注目のソダシ(牝、須貝)がデビュー2連勝で白毛馬として芝重賞初勝利を挙げた。

好位から4角先頭で押し切り、1分48秒2のコースレコードV。白毛一族を熟知する吉田隼人騎手(36)の手腕が光った。次走は白紙だが、賞金を加算してクラシック出走権も当確。伸びしろもたっぷりだ。

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緑の洋芝に純白の馬体が躍る。ソダシが動いた。3コーナーで好位の外から進出。左右のライバルが激しく手綱を動かす間で、まだ手応えには余裕があった。黒いバンデージを巻いた四肢を豪快に広げる。外から追い詰められても、耳を絞って踏ん張り、首差でしのいだ。勝ち時計は1分48秒2。掲示板に「レコード」の赤い文字が灯った。

ゴール後に白い歯を見せた吉田隼騎手は「ホッとしてます。(3角で2着馬に)外から来られて早めに動く展開になったけど、よく押し切ってくれた」とねぎらった。白毛で5勝はトップタイ。祖母シラユキヒメから始まる“ホワイト家族”の特長を熟知した上で「瞬発力勝負より長く脚を使わせようと思っていた」。狙い通りの騎乗だった。

果敢な挑戦が歴史を塗り替えた。白毛馬がJRAで挙げた30勝のうち芝は7勝だけ。血統だけでなく、ソダシに携わる誰もが「ダートは走る」と口をそろえる。だが、固定観念にとらわれず芝へ挑んだ。真っ白なシャツに身を包んだ須貝師は「クロフネ産駒だしダート血統だけど、芝に対応できる走りだと確信していた」と胸を張った。

次走は白紙だ。トレーナーは「いろんなプランがある。決めつけずにいきたい。アイドルホースになりつつあるし大事にね」と説明した。賞金を加算してクラシックへの出走権は当確。まだ何色にも染めることなく、無限の可能性を探っていく。【太田尚樹】

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