火災に見舞われたJRA栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)厩舎地区では一夜明けた15日、地元の消防、警察による現場検証が行われた。出火元、原因などの特定には至っていないが、事件性は極めて低いと判断された。最も被害の大きかった村山厩舎では14日に死んだ4頭に加え、3勝クラス・ベルエスメラルダ(牝6)も火災の影響による気管の火傷(気管熱傷)のため死んだとJRAが発表した。

痛ましい火災事故が起きた栗東トレセンでは、15日朝9時から現場検証が行われた。まだ焦げたにおいが残る中、厩舎の半分が焼損した村山厩舎を中心に、消防・警察関係者20人以上が周辺を調査した。

午後4時過ぎに終了し、草津署の担当者は「今の段階では原因不明。これから火災の原因は調べるが、結果的に特定できないこともある。ただ、事件性は極めて低いと認識している」と話した。別の関係者は「エアコン室外機の様子を見ると、そこが原因ではなく、燃え移った可能性がある。(発火元は)電気関係かもしれないが、まだ分からない」と話した。引き続き調査は行われるが、16日も現場を検証するかは未定だ。

調査に協力していた村山師は「みなさんに多大なご迷惑をおかけしました」と沈痛な面持ちだった。14日には村山厩舎の管理馬4頭が火災の犠牲になったことが公表されたが、この日は新たに3勝クラスのベルエスメラルダが気管熱傷で死んだことも発表された。

火災現場近隣に厩舎を構える調教師は「昨夜は怖くて眠れなかった。とにかく煙がすごかった。悲惨な状況。煙を吸うと(競走馬の)呼吸が悪くなるから、扇風機と換気扇をフル稼働して煙を飛ばしていた」と振り返った。火災当時は、多くのトレセン関係者が駆けつけ、懸命に馬を逃がしたり、消火活動をサポートしていたという。この日の調教は、ほぼ通常通り行われた。被害にあった厩舎の競走馬は、空きのある馬房へ移動している。

◆火災で14日に死んだ競走馬 いずれも村山厩舎。アオイホープ(牡2、1戦0勝)、ケイティレジェンド(牡2、1戦0勝)、トーアキャンディス(牝2、未出走)、ミラクルユニバンス(牡7、51戦1勝)。

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