「九州産の星」ヨカヨカ(牝、谷)が熊本産初の快挙に挑む。初戦で一般馬を破って新馬勝ちをおさめ、15日小倉のフェニックス賞(2歳オープン、芝1200メートル)に出走予定。熊本産馬が九州産限定戦以外の平地オープンを勝てば、84年のグレード制導入以降では史上初となる。

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熊本生まれのヨカヨカが“地元”九州で夢を追う。夏の朝日に照らされて馬体はピカピカ。先週5日にはCウッド6ハロン82秒6-12秒9で3勝クラスの古馬に先着した。川端助手は「順調。カイバもそれなりに食べてくれている。あとは体を維持できれば」と期待を寄せる。

希望はふくらむばかりだ。入厩当初は目立たなかったが「ゲート(練習)で肩ムチを入れたらすごい走りをした」(川端助手)。反応の良さが目立ち、一般馬相手の初陣を選択。出負け気味の発馬ながら外から最速の上がりで差し切った。福永騎手は「よく押さえ込んでくれた。調教の良さをそのまま生かすことができた」と評価。九州産馬が限定戦以外の新馬戦を勝ったのは3年ぶりの快挙だった。負かした2着馬が次戦で大差勝ちを収め、さらに評価は高まった。

故郷の期待も背負う。前走後は地元紙でも大きく取り上げられた。川端助手は「熊本でもいい話題になれば」と願う。ちなみに鞍上は03~07年にフェニックス賞5連覇を果たしている。熊本産馬では現役のコウユーヌレエフ(牡6、斉藤崇)が障害オープン2勝を挙げているが、平地オープン勝利ならグレード制導入後初となる。なかなかできない偉業へ、若々しい走りで突き進む。【太田尚樹】

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ヨカヨカを生産した熊本県の本田土寿氏 新馬戦は4角の手応えがすごくて、「はじけるぞ、絶対切れるぞ」と叫びながらテレビを見ていました。しびれましたよ。稽古で動いていて、やれるかなと思ってましたが、本当にうれしかったです。今回は相手も仕上がりが進んでくると思いますけど、ヨカヨカも初戦のようないい競馬をしてほしいです。小倉2歳S、あるいは(九州産限定の)ひまわり賞になるのかはわかりませんが、次につながる走り、できれば来年のグレードレースを期待できるような走りをみせてほしいですね。

新馬戦はジャストタイミングでした。すぐ後に九州1歳市場があって、ヨカヨカの半妹が売れたのもうれしかったんですが、それ以上に九州産馬を評価してもらったことを感じました。総売り上げが上がっただけでなく、今年は購買者登録が51人(例年は十数人)に増えたんです。他にも強い九州産馬が出てくるはずです。

新馬戦の後に(同じ熊本県出身の)幹夫先生(松永幹師)は「おめでとう」と連絡をくれたし、(新馬戦2着の)モントライゼが勝ったときは逆に祝福させてもらいました。地元でも新聞社の取材を受けたり、テレビ局の方が密着したいと言ってくれたり・・・。コロナ禍だけでなく、熊本では水害もあり、厳しい状況ですが、みんなが応援してくれます。25~28日には北海道でサマーセールがありますし、私自身が体調を崩すわけにはいかないので、今週は家のテレビで静かに応援したいと思ってます。

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