デビュー4年目のホープ横山武史騎手(21)は現在、48勝を挙げて関東リーディングのトップに君臨。常に物おじせず、積極的な攻めの騎乗で結果を残している。その気持ちを前面に出し、馬を追う姿はファンを魅了し、人一倍の負けん気の強さを感じさせてくれる。今最も勢いに乗る若手ジョッキーは、ジョッキーを目指すきっかけや父横山典弘騎手との印象深いエピソード、ジョッキーを夢見る子どもたちへの熱いメッセージを語ってくれた。【取材・構成=井上力心】

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-まずはジョッキーを目指したきっかけを教えてください

横山武史騎手(以下敬称略) 生まれつき父、祖父がジョッキーという競馬の家庭に育って、馬が身近な存在にありました。父の姿を家族でテレビで見て応援したりしていて、父の勝っている姿にあこがれて自分もこのような舞台で乗ってみたい、勝ってみたいと思うようになりました。

-そこからジョッキーを育成するJRA競馬学校への入学を目指しました

横山 入学試験の頃は小さな体でした。他の受験生に劣るのが嫌で(試験項目である)シャトルランや懸垂をみんなよりできるように頑張りました。あまりきつい感じを見せず、「もっとできるんだぞ」と楽にやれているように見せることも意識しましたね。負けん気は当時から強かったですし、試験なので周りよりも目立つことをしないといけないと思っていましたから。トレーニングは入念に積んでから試験に挑みましたね。

-競馬学校での生活はとても厳しかったと想像がつきます。学校時代に印象に残っていることや苦労したことは何ですか

横山 つらいことは多かったですが、同期の仲がとても良かったですし、同期の存在があったからこそ、3年間の厳しい訓練を乗り越えられたと思っています。馬乗りには一番苦労したことを覚えていますね。周りが乗りこなせる馬でも乗りこなせなくて、よく教官に怒られていました。

-父である横山典弘騎手から教わったことで印象深い思い出は

横山 父は僕が中学生になる頃には、ジョッキーになりたいことを知っていました。中学2年生の時、父に「お前は何になりたいんだ。ジョッキーか? それとも一流のジョッキーか?」と問われ、「一流のジョッキーになりたいです」と返答しました。すると「それならこれから何をやるべきか分かるだろう」と言われました。それからは言われなくても一流のジョッキーを目指す上で何をすべきか、自ら考えて行動するようになりました。僕は父を一流のジョッキーだと思っています。一流の人が家族の中にいる環境というのは、自分の中では大きいですね。

-今年は重賞制覇、強豪ジョッキーがそろう函館でも開催リーディングを獲得するなど結果を残しています。その要因についてはどう捉えていますか

横山 騎乗スタイルやトレーニングなどを考え、自分なりに努力したことがつながってきていることもあります。ただ、乗せていただける馬がいなければこのような現状のような結果を残すこともできません。乗せていただいている馬主さんや関係者の方々のおかげだと思っていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。

-パートナーである馬と接する際に心掛けていることは

横山 とにかく馬を愛すること。馬が言うことを聞かず思い通りにいかない時でも馬の気持ちに寄り添うことが大事だと思っています。一緒に戦うパートナーですし、僕にとっては欠かせない存在です。勝ってくれた馬への感謝の気持ちを込め、首筋などを愛撫(あいぶ)しています。

-最後にジョッキーを目指す子どもたちに向けメッセージをお願いします

横山 大勢のお客さんの前で勝つジョッキーの姿はすごく華やかですし、かっこいい職業なのですがケガはつきものです。でもそれ以上にすごくやりがいのある仕事です。子どもたちにはジョッキーを目指して欲しいとは思いますが、やるからにはそれ相応の覚悟や努力が必要です。乗馬経験は関係ないですし、本人の努力次第ですぐに技術は追いつけます。ジョッキーになるんだという高い意識を持っていれば、必然的に自分のやるべきことが見えてくるはずです。ぜひ頑張ってください。

◆横山武史(よこやま・たけし)1998年(平10)12月22日、茨城県生まれ。美浦・鈴木伸尋厩舎所属。初騎乗は17年3月4日の中山1Rルーナデラセーラー7着。初勝利は同4月16日福島9Rヒルノサルバドール。JRA通算2160戦150勝。今年4月26日のG2フローラSをウインマリリンで重賞初制覇。祖父富雄は元騎手。父典弘、兄和生は現役JRA騎手。

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