各記者が注目する関係者、馬を取り上げる「夏のイチ押し」では今回、大阪・岡本光男記者が日曜新潟メイン・レパードS(G3、ダート1800メートル、9日)のミヤジコクオウ(牡3、川村)と、その担当者・中川修調教助手(51)を取り上げる。抽選除外となったエピキュール(牡3、杉山晴)を担当する実兄・中川清孝調教助手(63)との兄弟対決は持ち越しとなったが、熱い思いを胸にコクオウと越後路へ向かう。

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ミヤジコクオウでレパードSに挑む中川修助手(川村厩舎)の目標は言うまでもなく勝利だ。だが、もうひとつ願いがあった。それは兄・中川清孝助手(杉山晴厩舎)と同じレースに出走すること。兄が担当するエピキュールは22分の9となった抽選を突破する必要があったが、無念の除外に。「兄貴は長く攻め専(調教専門の助手)だったから、今まで一緒のレースに出走させたことがなかった。せっかくのチャンスだったのに」と肩を落とした。

ともに小倉生まれの清孝助手と修助手は12歳も年が離れている。「修が小さいころ、肩車して遊んだ」と兄は振り返るが、弟に記憶はない。「兄貴は中学を卒業してすぐ栗東へ行ったから、当時の記憶がない。小倉開催で帰省してきた時、初めて会ったと思ったぐらい。当時から毎月、仕送りをしてくれていた」。修助手が小学校6年生の時、父が亡くなった。「それを機に、僕と母親を栗東へ呼んでくれた」。その時24歳の兄が父親代わりとなった。

その後は兄を目標としてきた。「身内が言うのもなんだけど、兄貴は誠実で人を裏切らない。母親はよく『兄ちゃんは本当、苦労したんだよ』と言っていた。だからかな、僕もあのような人間になろうと思ってやってきた」と心優しいホースマンは言う。兄は来年12月で定年となる。あと1年半ほど。「それまでになんとか同じレースに」。願いは持ち越しとなった。

ミヤジコクオウは暑さにも負けず好調を維持している。「体も張りも毛ヅヤもいい」。3走前の伏竜Sで極端に出遅れながら3着まで追い上げた脚は驚異的だった。「この馬の力を出してくれたら」。まずは重賞初制覇を目指す。【岡本光男】

◆中川修(なかがわ・おさむ)1968年(昭43)9月20日生まれ、福岡県北九州市出身。中学を卒業後、栗東の吉永猛厩舎で調教助手になり、同厩舎の解散後は川村禎彦厩舎へ。ワイドバトルで92年小倉大賞典(G3)、スナークレイアースで02年白山大賞典(統一G3)、04年マーキュリーC(同)を勝っている。

◆中川清孝(なかがわ・きよたか)1956年(昭31)12月15日生まれ、福岡県北九州市出身。中学を卒業後、栗東の長浜彦三郎厩舎で調教助手に。同師の死去後、長浜博之厩舎へ移る。攻め専(調教専門の調教助手)として、90年桜花賞馬アグネスフローラや96年秋華賞馬ファビラスラフインなど多くのG1馬の調教に騎乗した。

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