<クイーンS>◇2日=札幌◇G3◇芝1800メートル◇3歳上牝◇出走14頭

11番人気のレッドアネモス(牝4、友道)が復活勝利を果たし、重賞初制覇を成し遂げた。勝ちタイムは1分45秒9。

2着にはビーチサンバ(牝4)が入り友道厩舎のワンツーフィニッシュ。テン乗りの吉田隼人騎手(36=フリー)は函館記念を15番人気アドマイヤジャスタで制しており、重賞騎乗機会連勝となった。

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最内1番枠を生かしたロスない立ち回りが、レッドアネモスの復活勝利を引き寄せた。逃げたナルハヤが繰り出したのは、前半1000メートル58秒2の厳しい流れ。外を回る他馬が体力を消耗する中、吉田隼騎手はインにこだわり続けた。直線は馬群を縫ってわずか1頭分ほど開いた進路を確保すると、道中ためた末脚を一気に爆発させた。

またしても人気薄で重賞を制した吉田隼騎手は「枠が良かったですし、理想的な位置で運ぶことができました。敏感な馬だと聞いていましたが、直線は狭いところをこじ開けて行ってくれました。能力が高い馬ですし、普通に強かったです」と激走をたたえた。最終追い切りに騎乗し、高い能力を感じ取っていただけにホッとした表情を浮かべた。馬混みに入れると他馬を気にする気難しさを持っていたが、あえて内ラチ沿いを進んだ。昨年5月に白百合Sを勝った後は5戦連続で重賞に挑戦し、特にここ3戦は上位と差のない競馬をするまで成長。強敵相手にもまれてきた経験が最後の勝負根性につながった。

18年神戸新聞杯(1着ワグネリアン、2着エタリオウ)以来の1、2着独占の友道師も秘めていた能力を再認識した。「今日は何もかもうまくいった。2、3走前も具合は良かったが、ちぐはぐな競馬になってしまったからね。能力はある馬ですね。結果が出なければダートも視野に入れていたが、勝ったから秋は芝路線に向かいます」。

今後は1度放牧に出され、秋に備える。始動戦は未定もデビューから連勝した素質馬が自信を取り戻した。【井上力心】

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