逃げて生き残る馬を探せ。日曜福島メインでは「サマー2000シリーズ」第1戦、七夕賞(G3、芝2000メートル、12日)が行われる。10年3冠牝馬アパパネの2番子ジナンボー(牡5、堀)は昨年6月の東京で不良馬場のジューンSを逃げ切り、2走前小倉大賞典で3着。梅雨時期の馬場、小回りとも適性が高い。先週は日曜3場、土曜福島メインで逃げ馬が優勝。先週の前残り傾向が今週も続けば、十分出番がある。

前が止まらない。先週はどの競馬場でも芝、ダートで行った行ったの決着が続いた。日曜はラジオNIKKEI賞、CBC賞を含めた3場メインが逃げ切り決着。福島に至っては土曜メイン安達太良Sも逃げ馬が残った。そして、海の向こうでも・・・。英ダービーは1勝馬サーペンタインが大逃走劇を演じ、エクリプスSではガイヤースが最強牝馬エネイブルを破った。波乱の夏。傾向を知り、対策を練れば的中が近づく。

難解なハンデ戦の七夕賞。グレード制導入の84年以降、93年ツインターボなど6頭が先手必勝の押し切りを決めている。逃げ馬不在、混戦模様の今年において、脚質的に浮上しそうなのがジナンボーだ。森助手は「先行力とスピードがあるので福島は初めてだけど、小回りコースにも十分対応できると思います。馬場が重くなってもパワーもあるので、こなしてくれると思います」と見通しを語った。前走の大阪杯は2番手で踏ん張り、0秒5差6着。逃げ宣言こそしなくても、積極策で前に出る。

昨年6月、不良馬場のジューンSを逃げて最速上がりの完勝。2走前の小倉大賞典では、「滞在競馬で余裕残し」(同助手)ながら小回り適性を示す好位戦で3着に好走した。雨予報の日曜福島で、トレンドに沿う馬だといっていい。森助手は「出走態勢は整いました」と、休み明けでも好調を保証する。先週の阪神では2歳下の全弟ラインベックが初ダートの西脇特別を逃げ切り。前を行く“次男坊”に追い風が吹いている。【松田直樹】

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