「オムレツ君」が重賞初Vいただきます! ベテランの堅実派ノーブルマーズ(牡7、宮本)が、サマー2000シリーズ第1戦・七夕賞(G3、芝2000メートル、12日=福島)で夏の主役を狙う。黄色のシャドーロールが「オムレツみたい」と話題になり、SNSなどでひそかな人気者に。18年宝塚記念3着など得意な季節を迎え、2年半ぶりの勝利を弾みにサマー王者を目指す。

鼻先で上下する黄色の“ふわふわ”が、ファンの心を揺さぶる。栗毛の馬体に白い流星。愛らしいルックスのノーブルマーズが、ひそかな人気を集めている。そのシャドーロールが「オムレツみたい」とSNSなどで話題になった。重賞未勝利ながらファンレターが届くこともあるという。

2歳時からの名物品だ。初めて着けたのはデビュー6戦目のデイリー杯2歳S(3着)。高倉騎手が「物見がすごかったので」と勧めた。普段から怖がりな性格。何度も振り落とされている担当の石原助手は「影とかに驚いたりするから『下が見えない方がいい』ということで、ブリンカーではなくシャドーロールになった」と振り返る。黄色は宮本厩舎のイメージカラー。大型に見えるが特注品ではなく「厩舎にあった物を使った」とのことだ。

暑い時季こそおいしい。18年の宝塚記念では12番人気で3着に激走。6~8月は過去9戦で【2 1 3 3】、複勝率66・7%と安定感を増す。先週1日の1週前追い切りでは少し物見をしながらも、Cウッド6ハロン83秒5-11秒6と推進力あふれる走りを披露。手綱をとった高倉騎手は「伸び脚が良かった。引っ掛かったりすることもなかったし、この時期は精神面が安定してくる」と、得意の季節を実感していた。石原助手も「いい感じ。暑くなると体が絞れて切れが良くなるのかも」と指摘する。

その走りはまだまだアツアツだ。7歳の今年は重賞3戦ですべて4着。2年半も勝利から遠ざかっているが、衰えは見られない。宮本師は「サマーシリーズを狙いたい」と意気込む。21度目の挑戦で念願の重賞制覇へ。「オムレツ」が真っ先にゴールへ届く日が待ち遠しい。【太田尚樹】

◆シャドーロール 頭絡の鼻革にボア状の物を装着した馬具。下方の視界を遮って走りに集中させたり、頭の高い走法を矯正したりする効果がある。ナリタブライアンやアパパネなどの名馬も着用していた。

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