<ラジオNIKKEI賞>◇5日=福島◇G3◇芝1800メートル◇3歳◇出走12頭

8番人気のバビット(牡、浜田)が、落馬負傷の団野騎手から乗り替わった内田博幸騎手(49=フリー)を背に逃げ切り、3連勝で重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1分47秒3。

チャンスを生かし、与えられた役目を全うする、ベテランの巧みな仕事ぶりが光った。

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馬のリズムを重視し、マイペースの逃げに持ち込んだ。内田騎手の巧みな騎乗が、バビットが持つ豊富なスタミナを存分に引き出した。前半1000メートルは59秒6。前夜に雨が降ったやや重馬場を考えれば楽ではない。よどみない流れ、タフな馬場に他馬が体力を削られる中、1頭だけ4角では抜群の手応え。直線もリードは広がるばかりだった。内田騎手は「リズム良く運んで4角も手応え十分。こんなにいいパフォーマンスができると思わなかったが、馬の能力を出し切ることができた」と会心の表情で振り返った。

7Rで団野騎手が落馬し負傷した。急きょ回ってきた手綱。それでもプロとしてやるべきことは結果を出すことのみと割り切った。「騎手なら与えられた仕事を精いっぱいやらなきゃいけない。団野くんが事故で乗れなくなったが、これをバネにして、今後タイトルを取ってもらえれば」と、49歳のベテランは20歳の心中を思いやった。

浜田師も「ジョッキーがうまく力を引き出してくれました。内田騎手もスタミナがあると言ってくれたし、秋は菊花賞(G1、芝3000メートル、10月25日=京都)を目指したい」と鞍上をたたえ、今後のプランを明かした。パドックでは誘導馬に反応して馬っ気を出すなど粗削りな面もあるが、成長の余地は十分。厳しい展開を勝った経験がより過酷な淀の3000メートルで生きるはずだ。【井上力心】

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