<ラジオNIKKEI賞:追い切り>

夏の福島開催の開幕週を飾る3歳馬のハンデ重賞、ラジオNIKKEI賞(G3、芝1800メートル、5日)の追い切りが1日、東西トレセンで行われた。このレースで2勝している堀厩舎は強力2頭出し。デビュー2連勝中のグレイトオーサー(牡)は不良のウッドコースで躍動感あふれる動きを見せた。

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レーン騎手の乗ったグレイトオーサーは南ウッドの単走追いで、力強い伸びを見せた。前半はやや行きたがったが、鞍上がなだめると徐々に気持ちの高ぶりは解消。直線に入り軽く促されると、ためた末脚を爆発させた。

不良馬場をものともしないパワフルなフットワークで5ハロン66秒9-12秒4(馬なり)をマーク。森助手は「暑くなってきたので、疲れを残さないような調整ですが、動きは良かったと思います。いい状態をキープしています。(少々折り合いを欠いた点は)競馬でも力むようなところがある馬なので。前向きな気性なので小回りになっても問題ないと思います」と評価した。

体質の弱さがあり、デビューは今年4月と遅かった。だが、既走馬相手の初戦を快勝すると、前走は掛かってハナを切る形になりながら上がり33秒台でまとめて押し切った。母ディアデラノビアは05年フローラSなど牝馬限定重賞を3勝しG1戦線でも活躍。産駒はやや気性が激しい馬が多く、オーサーもその傾向を受け継いでいる。まだまだ粗削りながら無傷の2連勝は素質の高さの証明。森助手は「兄姉はどれもコンスタントに走っていますから。いろんな種馬で走っているのはすごいと思います」と同血統の魅力を語る。

父が欧州G1・4勝の独ノヴェリストとなり、同厩の半兄カウディーリョ(父キングカメハメハ)と比べても、馬体は雄大でパワー色が濃く出ているように映る。この中間でトモや胸前の筋肉はよりたくましさを増した印象だ。福島はせっかくの開幕週だが週末にかけて雨予報が続く。「道悪になっても問題ないと思います」と森助手が話すように、力の要る馬場もこの馬の味方か。初重賞も通過点にしてみせる。【井上力心】

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