歩くだけで周囲を魅了する-。現在、現役馬でわずか7頭しかいない白毛馬の1頭が函館にいる。7月5日、または同12日の函館芝1800メートルでのデビューが予定されている白毛馬ソダシ(牝2、須貝、父クロフネ)が17日、函館競馬場に入厩。18日から調整を開始した。

まだら模様の白毛が話題を集めた母ブチコの初子。母は競馬のたびに担当厩務員がぶち模様のオリジナルグッズを身につけて、パドックを周回する姿も話題を呼んだ。祖母シラユキヒメから広がる白毛一族。また1頭、白毛馬の母子3代デビューが近づいている。

母と違う点はその模様だ。雪原のような真っ白な馬体は、祖母シラユキヒメを思い起こさせる。競走馬全体で見れば、数千頭に1頭の確率でしか生まれない奇跡の毛色。そもそも白毛馬はなぜ生まれるのか。

ブチコを特集した日刊スポーツの15年3月3日付紙面には「シラユキヒメ一族は、KITと呼ばれる遺伝子のDNA変異によって白毛になることが分かっている」、「白毛馬は色素細胞が表皮に到達できないため、生まれつき毛が白いが、潜在的に色素を産生する能力はもっている」と記されている。白毛馬は偶然が重なり合って生まれるが、母ブチコ特有のぶち模様はソダシに遺伝しなかった。

では、母子で似ている点は。北村助手は「ふとした時に自分を持っている感じがする。納得して何かをするのではなくてね。今は最初だから猫をかぶっているのかも。でも力強いよね、やっぱり」と話す。母ブチコはキャリア後半に過剰に我の強さが出てゲート難が目立ったが、JRA4勝を挙げた実力も光った。少し気難しいところ、秘めた能力の高さはしっかりと受け継いでいるようだ。

4月中旬に1度栗東に入厩し、ゲート試験合格後に再放牧。函館競馬場で約1カ月ぶりにソダシと再会した同助手は成長に驚いた。「でかくなってた。うん、大きくなってる感じがする。パワフルになったかな。栗東にいたときは470キロくらいで、今日(調教に)乗った後に468キロだったから。大きく見せているのは確かだと思う」。数字に大きな変化がないのに見た目の変化があるのは、余計な肉が落ちて筋肉がついてきたから。着実に成長を遂げているといっていい。

白毛馬はこれまでにJRAで27勝。北村助手は「いいところまでいけそうな感じ」と活躍を期待する。昨年はいとこにあたるハヤヤッコがレパードSを勝利し、再び希少な毛色が注目を集めた。馬名の由来はサンスクリット語で「純粋、輝き」。北の玄関口から純白の馬体が輝きを放つことを期待したい。

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