<オークス>◇24日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牝◇出走18頭

松山弘平騎手(30)が騎乗した桜花賞馬デアリングタクト(杉山晴)が4戦無敗で2冠に輝いた。勝ちタイムは2分24秒4。

桜花賞との牝馬クラシック2冠は史上15頭目で、無敗の2冠制覇は1957年ミスオンワード以来、63年ぶり2頭目の快挙となった。

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単勝1・6倍の圧倒的な1番人気を背負っても、馬名の通り「大胆な戦法」に迷いはなかった。デアリングタクトの手綱を握る松山の頭にあったのはシンプルな末脚勝負だ。厳しいポジション争いの1、2角は勇気を持って位置を下げた。直線入り口は13番手。それでも末脚を信じていた。

「(位置取りで)突っ張るよりも脚をためることに専念しました。すごい脚が使える馬。空いたところにいこうと・・・。手応えは十分にあって、進路を迷ったところがあったけど、前が空いた瞬間に速い脚で抜けてくれました。馬にありがとうと言いたいです」

残り400メートル、前方に一瞬できたスペースに突っ込む。最後は前を走るウイン2頭を力強く差し切った。上がり3ハロンは4戦連続でメンバー最速の33秒1。桜花賞時のような派手なガッツポーズはない。「(4戦目で)初めて1番人気。すごい期待されていたし、何とか応えたいと思っていました」。30歳の鞍上は少しだけ表情を和らげた。

ゴールは先頭で駆け抜けたが、パドックは列の最後尾を歩き、馬場入りは最後だった。初めての府中、長距離輸送。テンションが上がりやすい面を考慮し、38歳の杉山晴師を筆頭に厩舎がやるべきことをやった結果が勝利につながった。開業5年目でオークス初勝利の同師は「予想通りのタフな競馬になったけど、この馬の精神力で乗り切ってくれましたね。(直線で)外に出せなくて、内へ行った時に(末脚が)切れた。あれで何とかしてくれるんじゃないか、と思いました」。オーナー、牧場関係者が不在の検量室前、満面の笑みで人馬を出迎えた。

キャリア最少タイの4戦目でオークスを制したデアリングタクトは夏場を休養に充て、秋華賞(G1、芝2000メートル、10月18日=京都)で牝馬3冠制覇を狙う。「次は京都で強い競馬をお見せできるように」と師が言えば、松山騎手は「楽しみが増えるし、さらに注目される。期待に応えたいし、自分がそこ(デアリングタクトの鞍上)にいられるように、それだけのジョッキーになっていきたい」と自らを奮い立たせるように言った。新種牡馬の父エピファネイア、その母シーザリオの05年オークスを思わせる豪快な差し切り。次は史上初の無敗の牝馬3冠制覇に挑む。【木南友輔】

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