<阪神牝馬S>◇11日=阪神◇G2◇芝1600メートル◇4歳上牝◇出走16頭◇1着馬にヴィクトリアM優先出走権
2番人気サウンドキアラ(牝5、安達)が重賞3連勝を飾った。好位のインで脚をため、直線は馬群を割るように進出。2着に1馬身半差の完勝で、阪神初勝利を挙げた。勝ち時計1分32秒9はレースレコード。
ヴィクトリアM(G1、芝1600メートル、5月17日=東京)の優先出走権を獲得し、G1制覇が見えてきた。鞍上松山弘平騎手(30)は今年重賞5勝目となった。
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無観客でなければ大歓声が追いかけるような、直線の攻防だった。逃げるトロワゼトワルをディメンシオンがかわす。ダノンファンタジーは外から伸びるが届かない。サウンドキアラは馬群を割るように一気に抜け出した。完勝での重賞3連勝。松山騎手は「非常に強いレースをしてくれた」と相棒をたたえた。
スタートを決め、好位のインで脚をためた。「いいポジションで流れに乗れた」。直線はいざ進路があくと、追われるたびにスピードアップ。他を寄せ付けない強さをみせつけた。「阪神でもしっかり結果を出してくれた。東京でもいい結果を出せる馬だと思う」。阪神はこれまで【0・2・2・0】で惜敗が続いていた。殻を破っての重賞3勝目。次なる舞台は昨年7着だった東京のヴィクトリアMだ。
走るたびに成長している。前走・京都牝馬Sは大外枠から好位の外めで待機。終始外を回ったが直線は力強く抜け出した。安達師は「すごい馬だと思う。ここ3走はしまいがしっかりしてきた。集中できている」とメンタル面の成長を実感している。
放牧を挟み、ヴィクトリアMを目標に調整される。師は「去年は7着で悔しい思いをした。頑張りたい」。昨年は格上挑戦で完敗したG1に、重賞3連勝ホースとして乗り込む。【網孝広】