<高松宮記念>◇29日=中京◇G1◇芝1200メートル◇4歳上◇出走18頭

史上初めての無観客G1は一筋縄の決着では収まらなかった。1位入線馬の降着により、9番人気の伏兵モズスーパーフレア(牝5、音無)が繰り上がりV。積極的な逃げを打ったデビュー7年目の松若風馬騎手(24=音無)は、自厩舎の馬でG1初制覇を飾った。

松若騎手は父が装蹄師で、幼いころから競馬が身近にあった。デビュー7年目でも慣れ親しんだ馬を愛する気持ちは変わらない。所属する音無厩舎の馬房で馬をやさしく撫でる様子を何度も見た。「この馬、かわいいんですよ」と説明してくれたこともある。かわいい馬もいればやんちゃな馬もいる。馬の性格を伝える目は輝き、純粋に馬が好きな少年に見える瞬間だ。

馬を愛する松若騎手には小さな“応援団”がいる。「よく来てくれるんですよ」という、競馬場にかけつける男の子たちだ。ウイナーズサークルで「お兄ちゃん! おめでとう」と言ってお菓子を手渡してくれる。身長151センチは騎手の中でも低い方だが、少年たちにとってはまぶしい大きな存在だ。無観客競馬でのG1初制覇。小さな応援団はきっとテレビの前で「お兄ちゃん」の大きな背中を目に焼き付けただろう。【中央競馬担当=辻敦子】

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