新たな試みが始まる。内田博幸騎手(49)がスマホアプリ「内田騎乗依頼」を通じて、騎乗依頼の管理を行う。本格運用は今週末からスタート。内田騎手が自ら厩舎サイドと濃密なコミュニケーションを図り、より良い馬づくりの一翼を担っていく。

最先端のツールを用いた挑戦だ。アプリで騎乗依頼を募るのは今回が初めてのケース。内田騎手は「今まで付き合ってきた人たちともっと縁深く、新しい人とはつながりが出来るように。気軽に自分のスケジュールを見てもらって、風通しが良くなればと思って始めました」と話す。19年夏から構想を練り、無料で厩舎関係者のみが利用できる仕様を組み込んだ。約半年の準備期間をへて、ようやく運用開始にこぎ着けた。

08年にJRAに移籍し、南関から中央への門戸を開いた名手。49歳になっても、開拓者のスピリットは忘れていない。「今の自分だからできることを目に見える形で残したかった。面白い試みとして受け取ってもらえたら」。大井時代に3000勝超、JRAでも10年ダービー(エイシンフラッシュ)など通算1229勝。現役屈指の経験を伝える新しい手段と考える。

アプリではレース騎乗後に内田騎手から依頼者へコメントが配信される仕組みとなっている。内田騎手は「自分の言葉を正確に、ストレートに届けられる。口頭のやりとりだけでなく、関係者と一緒に馬をつくっていく上で、文字に残していくことは大事だと思う」と展望を語った。今も昔も、胸の奥にあるのは1頭でも多くの馬の素質を引き出したいという思い。斬新な方法を用い、競走馬のレベル向上に一役買う。【松田直樹】

◆「内田騎乗依頼」 エージェント(騎乗仲介者)を介さなくても、スマホを通して内田騎手に騎乗依頼を行える厩舎関係者専用のオリジナルアプリ。認証完了後、週末の依頼予定馬、空き鞍状況などがひと目で確認できる。関係者との情報共有を目的に、当週だけではなく番組発表済みの将来のレースにも騎乗依頼が可能。レース後には内田騎手本人からコメントが配信される。無料。JRAの許可が下り、現在特許申請中。

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