<キナミの帝王~日本でも香港でも>

【香港6日=木南友輔、網孝広】帝王が帝王に伝授する-。香港国際競走(8日=シャティン)のG1番記者「キナミの帝王~日本でも香港でも」は5日目。終盤戦に突入した。木南友輔は今シーズンから調教師に転身したダグラス・ホワイト師(48)を直撃。香港騎手リーディングを13度獲得した「香港の帝王」の金言は?

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金曜朝午前5時のシャティン競馬場は静寂の中に馬の蹄音だけが聞こえる。前日に枠順が決まり、地元馬の調教時間にメディアの姿はない。馬場へ向かう隊列、引きあげてくる隊列・・・、ひときわ目立つのが赤い厩舎服の隊列だ。背中には「D・W」。率いるのは2月に騎手を電撃引退したダグラス・ホワイト。若き指揮官は自ら調教に騎乗し、激戦区香港で戦う(※現在10勝でリーディング11位)。

「日本の競馬もファンも大好きだよ。調教師としての夢? HKIR(香港国際競走)に出られるような馬を育てること、それから、ジャパンCへ行くこと。そして、勝つことさ。騎手では2着(99年インディジェナス)が最高だった。調教師でJCを勝つよ。アーモンドアイが来なかったのにはガッカリしたけど、今年も日本馬はコンペティティブ(勝ち負けになる)だ。ただ・・・、スプリントはエセロが強すぎるよ。それ以外はコンペティティブ」。

香港の帝王の金言は胸に響く。スプリントは超新星エセロの相手探し。他の3競走は日本馬を含め、勝つチャンスのある馬は多い。取材ノートを見返しつつ、魅力を感じた地元の大駆け候補を各レース紹介する。

ヴァーズ 昨年の香港マイル3着馬(4)サザンレジェンドがまさかの2400メートル参戦だ。今年3月のドバイターフは6着。前走は好位のイン追走から直線で不利があったものの、差のない3着に入った。「2400メートルは初めてだけど、この距離なら楽に好位を奪える。ビッグアウトサイダー(大穴)だ」とファウンズ師はほくそ笑む。金曜朝もふっくらした馬体が目立った。

スプリント 春に故障し、休み明けの前哨戦大敗で3連覇に黄信号の(3)ミスタースタニングだが、先週土曜のバリアトライアル(模擬レース)は悠々先頭でゴール。「ベストの状態になる」とロー師は反撃示唆。

マイル (6)カーインスターは前走でビューティージェネレーションと先行争い。負担重量の差があったとはいえ、外からねじ伏せて先着した。G1初挑戦で相手は強いが、最内枠。「前に行けるからね」とクルーズ師はひそかに期待する。

カップ (5)ダークドリームは馬名どおりに黒光りする好馬体。春はG1・3着の実績馬がここ2戦は惨敗。「ブリンカーを着用する」とロー師は勝負手を打つ。

さあ、いよいよ結論だ。最後までじっくりと取材し、何が何でも的中したい。

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