アーモンドアイの回避によって香港Cは8頭立てながら、一転して混戦模様を呈してきました。難敵が消えたことで、人気の一角に躍り出そうなのがアイルランドから参戦するA・オブライエン厩舎のマジックワンド(牝4)です。

オーストラリア遠征3戦目の前走マッキノンS(芝2000メートル)で初のG1タイトルを獲得。今年11戦目で月に1回ペースで休みなく走る姿は、欧州、日米など6カ国を転戦し、「鉄の女」と呼ばれたトリプティクをほうふつとさせています。彼女がすごいのは、勝てそうなレースがあったら世界のどこにでも行き、激しい競馬をしてもケロッとしているところです。

今年は周囲が休んでいる時期の1月に米国フロリダに遠征してペガサスWCターフ(G1)に出走。ブリックスアンドモルタルの2着に好走。3月は中東に赴いてドバイシーマC(5着)。5月はニューヨークでマンノウォーS(G1)3着、6月は地元カラ競馬場のプリティポリーS(G1)で2着。7月は英国で「キングジョージ」に挑戦も、エネイブルの11着。休む間もなく夏はシカゴに向かってアーリントンミリオン(G1)で2着。再び地元に戻って、愛チャンピオンSは同厩舎マジカルの2着。その後は南半球に遠征して、コックスプレート(G1)がリスグラシューの4着、メルボルンC(G1)は距離が長く10着でしたが、中3日で臨んだマッキノンSを執念で制覇しました。

「21世紀の鉄の女」はオーストラリアから1度アイルランドに戻り、先週土曜夜に香港入り。月曜からシャティンのオールウェザーコースで運動を始めています。アーモンドアイの参戦を前提にしながら香港Cを選んだのは、さすがに無謀な挑戦と思われていましたが、回避によって状況は一変しました。

鞍上は月曜から香港に滞在する頼れるパートナー、ムーア騎手。1900メートル~2000メートル戦は8戦して1勝ですが、6度の2着はすべて強敵と競ってのもの。さすがに上がり目はないでしょうが、地力でねじ伏せても不思議はありません。

【奥野庸介】(ターフライター、ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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