<キナミの帝王~日本でも香港でも(1)>

香港国際競走(8日=シャティン)で東京・木南友輔が志願の「G1番記者」を務める。題して「キナミの帝王~日本でも香港でも」。初手はメインの香港カップ(G1、芝2000メートル)。日本の最強牝馬アーモンドアイ(牝4、国枝)の遠征回避を地元香港馬陣営はどのように受け止めたのか? ライズハイ(せん5)のキャスパー・ファウンズ師(52)、タイムワープ(せん6)のトニー・クルーズ師(62)、フローレ(せん5)を筆頭に3頭出しのフランキー・ロー師(53)を直撃した。

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月曜朝、夜明け前のシャティン競馬場は風が強く、かなり肌寒い。「オハヨウゴザイマス」。次々と日本語で声を掛けられる。馬上のライダー、自転車で忙しく動き回るトレーナー、競馬場敷地内の自宅から通勤してくるジョッキーたち。

HKIR(香港国際競走)ウイークの月曜はメディアの姿も少なく、日本の新聞記者は自分だけ。いつも厳しい表情を浮かべ、近寄りがたいクルーズ師も陽気に応じてくれた。「(アーモンドアイ回避で)ホンコンホースにはチャンスが出てきたよ」とニヤリ。「(ヴァーズの)エグザルタントを日本に連れてこい? 来年の宝塚記念は考えておくよ。ジャパンC? そりゃ無理だ。HKIRまでの期間が短すぎる。ジャパンCなあ・・・。君、知ってる? 私がジョッキーだったこと。直線でこうやってぶつけられて・・・、ぬあっ」。単勝1・8倍のトリプティクで4着に敗れた香港の名手は32年前を昨日のことのように熱く語る。「タイムワープはあまり成長がないんだよなあ」の弱気発言は逃げ馬陣営特有の煙幕にも聞こえるが・・・。

「アーモンドアイはディファレントクラス(異次元)」、「来年は日本に遠征するかも。彼女がいないレースを狙って」。そう笑ったのはファウンズ師。3月ドバイターフ(6着)のサザンレジェンド(ヴァーズ出走予定)で強さを実感している。ただ、ライズハイへの期待度は相当に高い。「ネクストスーパースターになれる。前走(ジョッキークラブカップ4着)後にノドが気になったけど、検査で問題はなかったし、金曜(11月29日)のバリアトライアル(模擬レース)もいい動きだった。ここを目標にしてきたし、アーモンドアイがいなければ勝つチャンスがある。あとはいい枠が欲しい」と力強い。

開業3年目ながら昨シーズンは香港スプリント(ミスタースタニング)と香港カップ(グロリアスフォーエバー)を制した新進気鋭のロー師。「勝つチャンスが大きくなったのは喜ぶべきかもしれないけど、どれだけすごいのか、この目で見たかった」とアーモンドアイ回避を残念がった。「一番有力なのはもちろんフローレで状態もいいですが、3頭ともチャンスがあると思ってます」。サングラスの奥の瞳は勝利に飢えた「あ~、もっと」アイだ。(つづく)

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