<外国馬のいないJC ゼロの衝撃>

創設39年目にして初めて外国馬不在で行われるジャパンC。緊急連載「ゼロの衝撃」第2回はJRA国際部・国際企画室長の山本修氏(54)の直撃第2弾だ。

【取材・構成=木南友輔】

 ──今回、外国馬の参戦がゼロになったことで、ネット上では「ジャパンCは役割を終えた」というファンの声もあるが?

 山本氏 終わったという人と、そうではないという人と両方の声があると思います。我々としては引き続き、一流の外国馬を呼んで、ファンの皆様に見せたいなと思っています。

 ──今年初めてゼロになったが、現状では来年以降も同じ状況が続くのでは?

 山本氏 短期免許で来日するトップジョッキーからは「弱い馬を呼んでジャパンCの価値を下げてはいけない」という意見を頂いたことがあります。外国馬を呼ぶためにどこをどう変えるのかを考えていきたい。ボーナスの仕組みもそうですし、検疫方法も改善できるように国と話していきます。「日本馬が強い」と言われることについては日本馬を弱くすることはできませんから。

 外国馬が日本に来る時、馬自身が「日本へ行きたい」と話すわけではありません。馬主やその馬の関係者が日本へ行きたいと思うようにしていかなければいけないと思います。

 ──さまざまな歴史あるジャパンCだが、現在の欧州最強種牡馬ガリレオ、シーザスターズを生んだアーバンシーが走ったこともその1つ。ウィジャボードも英ダービー馬オーストラリアを生んだ。フィエールマンの母リュヌドールも走っている。繁殖牝馬の価値を上げるレースであることはアピールできると思うが?

 山本氏 以前はジャパンCを走って、日本で繁殖入りする時にはジャパンCを走った後に1度、自国へ帰らないといけない決まりでした(※種牡馬入りしたトニービンなど)。昨年秋にジャパンCを走った後に所定の検査を受ければ、ジャパンCを走って、そのまま日本で繁殖入りできるように検疫のルールが変わりました。例えば、日本の種牡馬と交配させたい牝馬がジャパンCを走って、そのまま北海道へ行くことができる。今後この効果にも期待しています。

 ──ジャパンCが廃止されることは?

 山本氏 ないと思ってます。競馬は国際的なスポーツ・エンターテインメントであり、日本ではジャパンCがその象徴。ただ、創設当初とはその役割は変わってきていると思います。

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