「アドマイヤ」の冠名で知られる近藤利一(りいち)オーナーが17日早朝に大阪市内の病院で亡くなったことが、分かった。77歳だった。今夏にがんであることを公表し、闘病生活を送っていた。
84年に馬主免許を取得。競馬、競走馬を愛し、これまでに500頭以上をJRAでデビューさせてきた。アドマイヤコジーンが優勝した98年朝日杯3歳S(現朝日杯FS)でG1初制覇。翌99年には武豊騎手を鞍上に配したアドマイヤベガで念願のダービー優勝を成し遂げた。「ダービーオーナー」の称号を得た瞬間はひと目もはばからず、涙を流して喜んだ。所有馬を家族のようにかわいがり、「馬は自分の子どものようなもの。目に入れても痛くない」と語ったこともある。JRA・G1を13勝。海外では07年にアドマイヤムーンでドバイデューティフリー(現ドバイターフ)を、14年に豪コーフィールドCをアドマイヤラクティで制した。馬主の規定では故人の名義変更には1カ月の猶予期間があり、現役のG1馬アドマイヤマーズなどを含めた所有馬の動向はその間に決められる。
高額馬が上場されるセレクトセールでは毎年、高額馬を次々に落札。17年当歳セリ部門では09年仏1000ギニー優勝馬イルーシヴウェーヴの子どもであるアドマイヤビルゴ(牡2、友道)をセレクトセール史上2位の5億8000万円(税抜き)で購入、今年は1歳セリ部門で2冠牝馬ミッキークイーンの全弟であるミュージカルウェイの18(牡、父ディープインパクト)を3億6000万円(同)で競り落とすなど、評判馬を手に入れていた。通夜、告別式などの日程は未定。