<秋華賞>◇13日=京都◇G1◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走17頭

北村友一騎手(33)が騎乗した4番人気クロノジェネシス(斉藤崇)がラスト1冠を手にした。

抜群の手応えで4角を回ると、最後の直線で馬場の中央から一気に抜け出した。勝ちタイムは1分59秒9。オークスからの直行Vは昨年のアーモンドアイに続き2年連続となった。斉藤崇史調教師(37)はJRA・G1初勝利を挙げた。

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まさに実りの秋となった。桜花賞、オークスとも3着のクロノジェネシスは前に1番人気ダノンファンタジーを見ながら中団を追走。抜群の手応えで4角を迎え、直線で追い出すと他の馬に並ぶまもなく一気に抜け出した。17年ぶりに桜花賞馬、オークス馬不在の牝馬3冠最終戦。大阪杯(アルアイン)以来のG1・2勝目をゲットした北村友騎手は「2角から向正面で馬がすごくリラックスしていたので、バランスよく4角まで走れればと思っていましたが、思い描いた以上に上手に走れていました」と振り返る。

新馬戦から乗っていたからこそ分かる変化を、最終追い切り後に感じ取っていた。「夏を越えて、体も大きくなっているし、メンタルもリフレッシュされている。調教でカーッとなるところがあったが、自在に操れるようになった」。成長ぶりがそのまま本番でも生きた。「ここまでずっとデビューから乗せてもらった馬でG1を勝つのは初めて」と喜びを爆発させた。

開業4年目の斉藤崇師にとってもうれしいG1初勝利となった。「ゴール前で勝利を確信した時はうれしいのとホッとした気持ちでした。良かったという気持ちがほとんどです」と笑みを浮かべた。不思議な縁もある。ちょうど10年前の秋華賞。同じ3枠5番で勝ったのは、師が助手時代に携わっていたレッドディザイアだった。春2冠とも2着に惜敗したが、最後のタイトルを手にした。「あの馬がいなかったらここにいないよ。あの馬が全部教えてくれた。縁がありますね」と10年前を思い返した。

次走はエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月10日=京都)に向かう。「古馬、強い相手と戦うことになるが、毎回一生懸命に走る馬だし、能力が高いので頑張ってくれると思う」。斉藤崇師は早くも先を見据えていた。【三嶋毬里衣】

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