<オールカマー>◇22日=中山◇G2◇芝2200メートル◇3歳上◇出走10頭◇1着馬に天皇賞・秋優先出走権

丸山元気騎手(28=根本)の好騎乗で「3強」にひと泡吹かせた。4番人気スティッフェリオ(牡5、音無)が鮮やかに逃げ切り、重賞3勝目を挙げた。

好スタートからセーフティーリードを保ちながら、最後の直線でも後続の追い上げを振り切った。勝ちタイム2分12秒0。次走は優先出走権を得た天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、10月27日=東京)を目標に調整される。

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3万人を超える観衆が詰めかけた中山競馬場からどよめきが起こる。4コーナーで、上位人気馬3頭の手綱が必死にしごかれるのを尻目に、スティッフェリオの手応えには余裕があった。前半1000メートル通過は61秒8。スローな流れに持ち込み、後半まで余力を残していた。残り200メートル地点で丸山騎手がムチを入れたが、ゴールまで脚色が衰えることはなかった。

「やりました!」と開口一番、同騎手に笑みがこぼれた。「道中もリズム良く運べた。4角手前でも反応が良かった」と相棒とのコンタクトは終始順調だった。「馬場も良く作戦もうまくいった」。出たなりでレースを進める。音無師からの指示ではなく鞍上の判断だった。昨年6月の北斗特別(函館)以来となる逃げ切り勝ち。宝塚記念で後塵(こうじん)を拝したレイデオロ、3歳時のセントライト記念で完敗したミッキースワローにリベンジした。帰厩後、約1カ月かけてじっくり乗り込み、坂路で2週続けて好調教と、仕上げも万全だった。

天皇賞・秋の出走権を自力でつかみ取った。音無師は「強い競馬だった。このメンバーで勝てたのは自信になる。東京替わりと距離がポイントだが、まだ成長している」と大一番へ期待を込める。丸山騎手も「G1で結果を出したい」と気合は十分。人馬とも悲願のG1制覇へ。胸を張ってさらなる強豪へ、堂々と戦いを挑む。【井上力心】

◆オールカマーの逃げ切り 成績表にコーナー通過順位が記載されるようになた86年以降では87年ダイナフェアリー、93年ツインターボ、97年メジロドーベル、04年トーセンダンディ、09年マツリダゴッホで、今回が6度目。

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