JRA唯一の女性ジョッキー、藤田菜七子騎手(22=根本)が中山1R(2歳未勝利、ダート1200メートル)で1番人気デビルスダンサー(牝、奥村武)を勝利に導き、今年のJRA28勝目を挙げた。勝ち時計は1分12秒4。この勝利で昨年のJRA年間27勝を上回り、自身が樹立した女性騎手年間最多勝記録を更新。19年を3カ月以上も残しながら、未踏の領域に足を踏み入れた。

先行争いをする3頭の後ろ。デビルスダンサーを操る藤田騎手は絶好位にいた。前半3ハロンは牝馬限定戦の未勝利戦にしては速すぎる33秒5だ。4角の勝負どころではわずかに3頭の外を回る。前半の激流に先行馬の体力は残っていなかった。坂を上がってから、半馬身差の好位抜け出し。ラスト1ハロンが13秒8もかかった消耗戦で、チョイ差しを決めた。今年のJRA28勝目。自身も、ファンも待ち望んだJRA女性騎手年間最多勝利記録更新だ。

藤田騎手 (先週までの27勝は)去年の自分の成績で強く意識はしていませんでしたが、早めに抜けてよかったです。まだ秋競馬はこれからありますし、具体的な数字を決めず、もっともっと勝ちたいです。1つずつ勝ち星を積み重ねていければ。自分の記録ですが、毎年更新していきたいです。

騎乗機会7週連続勝利で昨年の勝利数に並んだのが、8月25日の札幌。快進撃の反動か、この2週間は生みの苦しみを味わった。だが、3日間開催の最初のレースで記録をするのが“持っている”証拠だ。手綱を託した奥村武師も「思っていた競馬とは違ったけど、冷静にさばいた。僕の方が焦った。ジョッキーの方が冷静でしたね。4角を回るときは最低限、外に出して本当にうまく回ってきた」と舌を巻いた。

今夏はスウェーデン、イギリスでの招待騎手競走に参戦し、WASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)にも騎乗した。海を渡り、世界の強豪騎手の技術を肌で感じた。藤田騎手は「スウェーデンで優勝できたのは大きな自信になりました。たくさんの経験をさせてもらって、シャーガーC、WASJに出たのはすごく大きな、1つの財産になりました」。道中は新馬戦同様の2番手、もしくはハナを想定していたが、プランが崩れても慌てない。経験を血肉に変え、その手応えを自身も感じている。

ウィナーズサークルでは土曜の1Rとは思えないほど、ファンが鈴なりになって祝福の声援を送った。藤田騎手は「たくさんの馬に乗せてもらって感謝したいです。まだまだの部分がたくさんあるので、もっと成長したいです」と意気込みを語った。現在、JRA通算75勝。このペースなら、来春にも節目となる100勝のお立ち台に立つ日がやってくる。

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