<宝塚記念>◇23日=阪神◇G1◇芝2200メートル◇3歳上◇出走12頭

レーンマジックだ! 3番人気のリスグラシュー(牝5、矢作)が2番手から抜け出す王道のレースで、G1・2勝目を挙げた。ダミアン・レーン騎手(25)の好騎乗に導かれ、出走12頭中、唯一の牝馬が強豪牡馬を撃破。今後は海外参戦も視野に入れられる。鞍上は短期免許期間の最多を更新するJRA重賞6勝目。G1はヴィクトリアM(ノームコア)に続く2勝目となった。なお、レーン騎手は26日から1カ月間、地方競馬の短期免許を取得し、26日大井の帝王賞(統一G1、ダート2000メートル)ではオメガパフューム(牡4、安田翔)に騎乗する。

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圧倒的な強さだった。残り200メートル。リスグラシューが、先頭のキセキをとらえた。レーン騎手の右ムチで、さらにギアを上げる。「最後の100メートルくらいで勝利を確定できた」。並み居る強豪牡馬の追い上げも許さない。花飾りのゴール板を過ぎると、オーストラリアから来た若武者は左手を突き上げた。

「気持ちは最高です。仕上がりは完璧。厩舎に感謝です。とにかく素晴らしいです」

1コーナー手前で、6万を超す観衆がどよめいた。中団から後方が定位置のリスグラシューが、前々へ進み、逃げるキセキの直後につけた。「誰も2番手に行くとは思わなかった。まさかあそこまで行くとは」と矢作師。だが、引っ掛かってはいない。「スタートが良く、手応えも良くて、レースの流れに乗っていこうと判断した」と鞍上は言う。先行馬が残りやすい馬場状態を頭に入れ、レースの流れに臨機応変に対処した。「1コーナーはハラハラしたけど、2コーナーで折り合っていると思った。彼の好判断です」。師も“レーンマジック”に目を丸くしながら喜んだ。


初めてJRAの短期免許を取得し、約2カ月間で37勝を挙げた。この日が免許最終日だった同騎手は、観戦した父マイケル氏の前でヴィクトリアMに続くG1・2勝目を奪取。「こんなにうまくいくとは、予想できなかった。とにかく日本が大好きになった。また来たいです」と笑った。

リスグラシューの未来も明るい。優先出走権を手にした10月26日の豪G1・コックスプレート(芝2040メートル、ムーニーバレー)に加え、11月2日の米G1・BCフィリー&メアターフ(芝2000メートル、サンタアニタパーク)とBCターフ(芝2400メートル、同)も視野に入る。「いずれにしても海外に挑戦していくのではないかな」と矢作師。初夏の仁川で強さを誇示し、今度は世界で名牝への道を歩む。【木村有三】

◆リスグラシューの馬主、(有)キャロットファームの秋田博章社長は3馬身差の完勝に「びっくりした」と笑顔で話した。「もともと背腰が弱くて、昨年は右にもたれるところがあったが(解消されて)ジョッキーも追いやすくなった」とリスの成長に目を細めた。今後については「選択肢が広がったね。海外も考えられる。皆さんの期待に応えられるように(今後について)考えます」と語った。

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