<函館スプリントS>◇16日=函館◇G3◇芝1200メートル◇3歳上◇出走7頭

会心の逃げ切りだ。カイザーメランジェ(牡4、中野)が5番人気の低評価を覆して逃げ切った。勝ち時計は1分8秒4。鞍上の江田照男騎手(47)は12年日経賞(ネコパンチ)以来、7年ぶりの重賞制覇となった。次走はキーンランドC(G3、芝1200メートル、8月25日=札幌)。今後は放牧を挟み、サマースプリントシリーズ王者を狙いにいく。

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してやったり。淡々と先頭を走るカイザーメランジェが一気にギアを上げた。残り1ハロンにさしかかって、江田照騎手のアクションが大きくなる。脚が上がりかける相棒の首を夢中で押した。前が止まらない開幕週の芝。左ムチを何度も振り下ろして、まんまと逃げ切り成功だ。右手で首もとをたたくと、全力ガッツポーズが出た。「穴男」が全身で喜びを表した。

「江田照男はまだ生きてま~す」

久々の重賞制覇に笑みが絶えない。12年日経賞以来、7年ぶりのタイトルだ。JRA重賞29勝のうち、9勝が2桁人気での勝利。7頭立て5番人気のこの日も布石はあった。飼料添加物に禁止薬物が含まれていたことで、出走予定馬13頭中6頭が除外された。少頭数に、もまれない展開。前走で直線競馬の激流を経験し、ダッシュ力を磨いたことがキャリア初の逃げにつながった。「変に小細工するより、この馬のペースで競馬をした方がいいと思った。道中はリラックスしていて、最後まで頑張ってくれそうな手応えだった。最後はいっぱいだったけど、厩舎スタッフがうまく調整してくれた」。勝つときは何もかもがうまくいく。

これで洋芝は2戦2勝。得意の条件が次走に指定された。中野師は「2着以下なら福島に行こうと思ったけど、札幌にするよ。時計がかかる方がいい。今日は緩い馬場も良かったのかもね」と笑った。次はキーンランドCで夏の短距離王をたぐり寄せる。伏兵は夏の主役を担う1頭となった。【松田直樹】

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