近年、海外で報じられる禁止薬物(ステロイド、コバルト)の検出は多くが競走馬の能力を向上させるために厩舎関係者が混入した悪質なものだが、今回はまったく違う。トレセン内で働く関係者は日頃から公正確保を意識し、禁止薬物に関する知識を当然有している。グリーンカルはJRAファシリティーズ(競走馬の飼糧提供など幅広い事業を展開)など4社が仕入れており、競走馬理化学研究所の検査を通過しているものと認識している。だからこそ厩舎関係者にとっては寝耳に水の話。混入の理由、事件性の有無は今後の調査で解明されるが、意図的なものでないことを願うばかりだ。

今回は本来検査されるべきものが検査されなかったために発覚したとみられる。当事者にはペナルティーを科すべきだが、検査の方法やシステムが長年の慣習で形骸化していた可能性もある。主催者であり、監督する立場のJRAも襟を正すべきだろう。金曜午後に判明し、土曜早朝に発表。さまざまな臆測を持たれても仕方がない。

競走除外馬が大量に発生したことで何が起こるのか。14年12月、新馬戦で1位入線したピンクブーケから禁止薬物カフェインが検出され、その後失格。しかし事件性はなく、調教師などへの処分はなかった。「1着賞金に近い補償金のようなもの」(馬主関係者)がJRAファシリティーズから補償された。JRAが補償することはないが、出走機会を奪われた馬主、厩舎には前例同様に相応の補償がなされるべきだ。【木南友輔】

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