<目黒記念>◇26日=東京◇G2◇芝2500メートル◇4歳上◇出走13頭
ダミアン・レーン騎手(25)が騎乗した3番人気ルックトゥワイス(牡6、藤原英)が重賞初制覇を飾った。道中後方から直線一気で差し切りに成功。従来のレコードを1秒3更新する勝ち時計2分28秒2の日本レコードで、タイトルを手にした。
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うっぷんを晴らす末脚一閃(いっせん)だ。レーン騎手が激しいアクションで両腕を動かす。鐙(あぶみ)に乗った両足を巧みに前後させ、ルックトゥワイスをスピードに乗せた。直線大外。残り1ハロンでアイスバブルに馬体を並べて、引き離す。ダービーは1番人気4着。直後のレースでJRA重賞4勝目をマークしたレーン騎手は「スタートした時点で理想のポジションではなかったが、流れに乗れた。しまいもいい末脚を使った」と振り返った。豪快かつ、鮮やか。後方2番手からまとめて全馬を抜き去った。
レコードが頻発する今開催の東京。ダービーに続いて、驚きの時計が出た。2分28秒2は従来の記録(04年12月26日、中山芝2500メートルでゼンノロブロイが記録した2分29秒5)を1秒3も更新。発馬と同時に両サイドにいた馬に挟まれたが、不必要に位置を取りにいかず後方に控えた。藤原英師は「ダービーでのショックを払拭(ふっしょく)した走りだったね。馬場が特殊でペースが速くなったら前が残るし、遅ければ瞬発力で来られる。末脚にかけた騎乗は100点」と絶賛した。1番人気サートゥルナーリアで臨んだダービーで敗れはしたが、技術は一級品。ショックを引きずらない好騎乗が光った。
6歳春、5度目の重賞挑戦での初制覇だ。藤原英師も「もともと期待していた馬やったからな。夏は休ませて秋やな」とさらなる活躍を期待した。見据えるのは秋の大舞台。全盛期はこれからやってくる。【松田直樹】