昨年の年度代表馬で3月のドバイターフを快勝したアーモンドアイ(牝4、国枝)が10月6日の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、パリロンシャン)に出走しないことが決まった。

17日、所有するシルクレーシングが登録見送りを発表した。

最強牝馬アーモンドアイによる日本馬初の凱旋門賞制覇は消えた。登録締め切りが迫る中、熟慮の末に陣営が下した決断は登録見送りだった。シルクレーシングの米本昌史代表はこの日、「アーモンドアイを応援してくださる皆様」へ宛てた書面を発表した。

コンディションが整えば凱旋門賞で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることとは思います。しかし、ドバイ遠征における新たな環境への対応、レース後の様子、長距離輸送での体調の変化などを精査した結果、凱旋門賞への挑戦はこれまでの本馬の経験上、コース・距離・斤量、そして初めての環境と全てがタフな条件となることから、環境適応力・レースそのものの本馬への負荷・レース後のケア環境・長距離輸送などの条件を鑑みますと、「ベストのレース選択ではない」、との結論に至りました。(中略)皆様におかれましては、本馬の凱旋門賞挑戦に多くのご期待を寄せて頂いている中、皆様のご期待にお応えできず、非常に残念に思います。

発表を受け、取材に応じた国枝師は「登録見送りを決めたのは数日前。レース後に(熱中症のような)危ない症状を見せる競馬が続いており、欧州へ連れて行くのはどうかという結論になった」と説明した。

4歳始動戦となったドバイターフでは2着ヴィブロスに1馬身1/4差で華麗な世界デビュー。海外のブックメーカーが昨年の凱旋門賞上位2頭に次ぐオッズを掲示し、3連覇を狙うエネイブルとの対決に世界の競馬ファン、関係者が注目していたが、実現する可能性はほぼなくなった。

アーモンドアイはドバイから2日に帰国し、現在はノーザンファーム天栄で着地検疫中。「先週見てきたが、レースを終えて馬体の張りは落ちるけど、脚もとは問題ない。馬の様子を見て、春にもう一戦する可能性はある。秋は天皇賞、(連覇のかかる)ジャパンCもある」と国枝師。日程的にはヴィクトリアMは厳しく、6月2日の安田記念(G1、芝1600メートル、東京)が候補になる。次にその勇姿が見られるのは国内のターフになる。

◆凱旋門賞の登録 締め切りは5月15日で登録料は8300ユーロ(約104万円)。今年は10連休中に銀行で送金手続きができないため、JAIRS(ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)を通じて行う登録の仮締め切りは4月18日となっている。登録後に登録を取り消す場合は取り消し料(キャンセル料)が発生する(1450~2万5000ユーロ)。追加登録の締め切りは10月2日で登録料は12万ユーロ(約1500万円)。出走した場合はレース後に1万3000ユーロ(約163万円)を出走料として支払うことになる。

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