今週の日曜東京メインは今年最初のJRA・G1、フェブラリーS(ダート1600メートル、17日)が行われる。

思い入れある馬が記録更新をお膳立てする。安田翔伍師(36)がオメガパフューム(牡4)とJRA・G1初勝利を目指す。

開業直後の昨年3月に厩舎初勝利を届け、初のG1馬となった孝行息子。勝てばコパノキッキングの村山師が12年テスタマッタで優勝した40歳6カ月2日を、大幅に下回る36歳7カ月10日でのフェブラリーS最年少調教師V記録となる。

G1連勝へ、攻めの調整を施した。テンションが上がらぬよう、1週前に強めの追い切りを課して当週は負荷を掛けすぎないのが最近のルーティン。だが、東京大賞典優勝後に、安田翔師は「もう1歩踏み込んだ調整ができる」と判断。この中間は変化を与えた。

13日の栗東坂路での最終追いは、4ハロン52秒4-12秒4。1週前(同54秒5-12秒9)より全体時計を速めて、騎手騎乗でやる気スイッチを入れた。今回は東京競馬場に前泊してリラックスが見込める分、心身両方の上積みを求めた。この日は師自ら芝で微調整。「今日は散歩感覚。気持ちも入り過ぎていない。思った通りの調整ができました」とうなずいた。

絶妙なさじ加減は助手時代の経験が礎だ。父の安田隆厩舎には11年トランセンド、13年グレープブランデーの2頭のフェブラリーS勝ち馬が在籍。調教には何度もまたがった。師は「馬の個体は違う」としながらも、「引き出しは増えた」と話す。研ぎ澄まされた感覚が馬の潜在能力を引き出す。「記録よりも走るのは馬なので」。19年開幕G1制圧に、納得の仕上げで愛馬を送り出す。【松田直樹】

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