日刊スポーツ新聞社制定、日本中央競馬会が協賛する18年の「中央競馬年間ホープ賞」に、武藤雅騎手(20=水野)が選ばれた。デビュー2年目の昨年は、1年目の24勝から全国リーディング30位の37勝に伸ばした。高松宮記念ではノボバカラ(13着)とのコンビでG1初騎乗を果たすなど大きく飛躍。19年は年間50勝以上を目標に定めた。

北村宏、松岡、田辺、大野・・・。一流ジョッキーになった歴代のホープ賞受賞者を聞いた武藤は「うれしいのと、これから賞に恥じない成績を残していきたい」。喜びはもちろん、早くも大きな責任感を自覚した。

37勝の中身が濃い。多くの若手が、第3場のローカルで騎乗数を確保して勝ち星を稼ぐ。その中でほとんど本場の東京、中山で勝負した。師匠・水野師の方針でもあり「1年目から本場にこだわっていた。外国人、一流ジョッキーがいる厳しいところでもまれた方がいい」と武藤は明かした。ペースや位置取り、さばき方を体で覚えた。「1頭1頭学ばせてくれて、それが2年目につながった」。

重賞騎乗2回の1年目から、昨年は12回と大幅に増えた。高松宮記念ではG1に初挑戦した。「なかなか若手にチャンスはもらえない。感謝の気持ちです」と振り返る。年間の騎乗回数695は、2年目の同期5人の中で最多。藤沢和師ら、関東の有力厩舎の馬にも乗って結果を出した。

デビュー年から「年間50勝」を口にしてきた。昨年は7月下旬に左手首を骨折して約1カ月半、戦列を離れた。だからこそ言う。「1年を通して乗れるジョッキーに」。一般レースの減量特典▲3キロ減で始まった18年は、△2キロ減をへて既に☆1キロ減。デビュー2年で通算61勝。減量がなくなる101勝を「1つの目標」とも言った。さらなるステップアップを求めていく。【久野朗】

◆武藤雅(むとう・みやび)1998年(平10)1月10日、茨城県生まれ。美浦・水野厩舎所属。初騎乗は17年3月4日中山1Rラインアストロ8着。初勝利は同4月23日福島6Rノーブルプルート。JRA通算1220戦61勝。重賞は18年ニュージーランドTのゴールドギアでの4着が自己最高。155・6センチ、45・3キロ。父は元騎手の武藤善則調教師(美浦)。

◆中央競馬騎手年間ホープ賞 02年に設立。その1年間で顕著な成績を示し、好成果を挙げた騎手を表彰する。G1や重賞の成績、勝利数などを参考に選出。選考委員(関東)は岡山俊明(レース部長)、沢畠功二(同次長)、高木一成(同次長)、水島晴之(同参事)、山田準(中央競馬キャップ)。受賞騎手には賞金50万円が贈られる。表彰式は5日、中山競馬場で昼休みに行われる。07年から関西地区(日刊スポーツ西日本本社主催)でも選出。

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