今年の有馬記念にはJRAの発表で152万票もの投票がありました。ファン投票で出走馬が選ばれるG1競走は他に宝塚記念くらい。世界にも類を見ないシステムでした。

でしたと、過去形にしたのは南半球のオーストラリアでも来年からファン投票をベースにした高額賞金レース「ジ・オールスターマイル」が出来るからです。

「ジ・オールスターマイル」は来年3月16日にメルボルンのフレミントン競馬場で行われる芝の1600メートル戦。賞金総額の500万豪ドル(約4億2300万円)は芝のマイル戦では世界最高。優勝賞金225万豪ドル(約1億9000万円)は、今月9日に行われたG1香港マイルの優勝賞金1425万香港ドル(約2億1200万円)より少ないものの、同レースの総賞金2500万香港ドル(約3億7100万円)を上回り、トップになります。

フルゲートは14頭で、ノミネートを済ませた馬の中からファン投票で選ばれた上位10頭に出走資格が与えられます。ファン投票は1月21日に始まって2月18日に締め切られて結果は2月21日に発表されます。残る4頭については主催するレーシングヴィクトリアがワイルドカード枠として3月4日までに発表することになっており、この4頭は外国馬になる公算が大きいものとみられています。

オーストラリアではメルボルンとライバル関係にあるシドニー地区で、総賞金1300万豪ドル(約11億円)で短距離の世界最高賞金レースとして定着しつつあるジ・エベレスト(ランドウィック、芝1200メートル)が行われていて来年11月には総賞金750万豪ドル(約6億3400万円)のゴールデンイーグル(ローズヒル、芝1500メートル)の立ち上げも決まっています。

「ジ・オールスターマイル」の予想オッズは29連勝中のウィンクスが1・8倍の断然人気。参戦の可能性は低いようですが、アーモンドアイと凱旋門賞連覇のエネイブルが他の2頭とともに13倍の3番人気タイに挙げられています。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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