関東の逸材ミッキースワロー(牡4、菊沢)が、平成最後の有馬記念制覇に虎視眈々(たんたん)だ。休み明けのジャパンCを使って定石通りに上昇。東の名人、横山典弘騎手(50)は96年サクラローレル以来のグランプリ制覇へ、自然体で挑む。勝てば、増沢末夫の49歳2カ月2日(86年ダイナガリバー)を抜いて、50歳10カ月1日での同レース史上最年長Vになる。

全休日明けの18日、横山典騎手は泰然自若として口を開いた。「順調。順調で何よりだよ」。キャリア33年。一貫して馬本位の姿勢を崩さない名人に、平成最後の有馬記念も、最年長優勝記録も関係ない。「有馬記念が近づいて、自分の任されたことをやるだけ」ときっぱり言った。

厩舎と二人三脚で、精魂込めてつくり上げてきた1頭がミッキースワロー。「乗っていて、いつも楽しいということ」という短い言葉に期待の大きさが見て取れる。強さが際立った昨年のセントライト記念から6戦連続で騎乗し、「きかん坊」だった愛馬の精神面の成長を実感。12日の1週前追い切り(5ハロン69秒0-12秒7)では自ら騎乗し、休み明けだったジャパンC(5着)後の気配を肌で感じた。「いろんなことで、皆でつくり上げてきた。順調ということがすべてだよ」。素質を認める相棒との4度目のG1。国民的レースの有馬記念で皆の労に報いたいと思うのは人情だろう。

ミッキースワローはこの日、角馬場で汗を流した。郷原助手が「落ち着いている。前はしっちゃかめっちゃかだったが、昔と全然違う。体が使えて、楽になっている」と声を弾ませれば、16日に騎乗した菊沢師も「良かったですね。ジャパンCと全然違う」。スタッフ一丸での成長&上積みに加え、舞台は【2 1 0 1】と好相性の中山。東の千両役者が、華麗に平成最後の有馬記念を締めくくる可能性は十分ある。【山田準】

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