<平成最後の夢 障害王オジュウの挑戦(3)>

「第63回有馬記念」(G1、芝2500メートル)は23日、中山競馬場で発走する。ファン投票で堂々10万票を集め3位で選出された障害王オジュウチョウサン(牡7、和田正)の挑戦に「平成最後の夢 障害王オジュウの挑戦」と題した連載で迫る。

 ◇  ◇  ◇

サラブレッド最強ハードラーの飽くなき挑戦に生まれ故郷も沸いている。オジュウチョウサンの生産者、坂東牧場(北海道日高町)の坂東勝彦顧問(70)は「夢をありがとう、という気持ち。我々には発想もできなかったこと。牧場も盛り上がり、スタッフの励みにもなっている」と障害界から異例のグランプリ出走となる愛馬をたたえる。

生産馬の有馬記念出走はくしくも同じ長山尚義オーナー所有の07年チョウサン(13着)以来、11年ぶりになる。「長山オーナー個人の所有馬では、チョウサンの毎日王冠(07年)が重賞初勝利だったそうですね。本当に喜んでくれましたし15年来のお付き合いになりますが、ご縁があってうれしいです」と話す。

坂東牧場は1950年創業で生産、育成、トレーニングを一貫して行う総合牧場。300を超える馬房を有し、その約9割が預託馬という経営スタイルを取り入れている。オジュウの母シャドウシルエットは、坂東顧問の長男で現代表の正積氏が長山オーナーの依頼に応え、繁殖馬セールで導入したもの。「未出走でしたが馬は立派でひらめくものがあったようです」。

1番子のケイアイチョウサンは、13年6月のラジオNIKKEI賞を制した。しかし、同年秋デビューの全弟オジュウは、平地の芝中距離で2戦(11、8着)して振るわず、その後、骨折で約1年間の休養を余儀なくされた経緯がある。

「兄が走っていなければ普通は地方移籍などでしょう。それが障害で再出発し今では(障害の)G1・5勝。ファン投票3位、武豊騎手で有馬へ。オーナーの辛抱強さのたまものですが信じられない。この馬は本当に強い運を持っている」。秘める強運で生涯最も高いハードル越えに挑む。【奥村晶治】

  1. 藤田菜七子騎手まとめページはこちら!
  2. 有料版極ウマ・プレミアムの魅力!