<明日への伝言 先人から競馬界の後輩へ>

「明日への伝言 先人から競馬界の後輩へ」は、「チョウサン」の冠名で知られる馬主の長山尚義氏(72)の2回目。クラブ馬主として、ジャンプ界の怪物オジュウチョウサン(牡6、和田郎)の馬主として、どのように相馬眼を磨いてきたのか? これから馬主になる人、クラブへ出資を考える人、POGファンに必見のアドバイスを送る。

クラブ馬主も以前より多いし、ペーパーオーナーゲーム(POG=仮想馬主になって楽しむもの)も流行している。クラブの馬でも走る馬もいるし、走らない馬もいる。私がどうやって馬を選んでいるのか。吉田照哉さん(社台ファーム代表)や吉田勝己さん(ノーザンファーム代表)にも聞かれることがありますね。

答えは「残念。教えられない」です。「犬を想像してください」って言われたら、柴犬を思い浮かべる人もいれば、シェパードを思い浮かべる人もいるでしょ。それと同じで馬のパーツも人それぞれ、イメージが違う。教えることはできないんです。答えは1つ。走る馬には顔に「私は走ります」って書いてある。これ以上は企業秘密だなあ・・・。

努力は惜しまないこと。まずは血統。サラブレッドは3代始祖から始まってるけど、それ以外にも牝系のファミリーナンバーというものがある。分厚い本を読んで勉強しましたよ。それから、馬体のバランスって大事。高校(法政二)の野球部時代からの友人に山本(泰)君(元マリナーズスカウト、南海鶴岡一人元監督の息子)がいます。彼は動きや馬体のバランスを見抜くのがうまいです。元プロ野球選手がいい馬を見つけられるのは、バランスを重視して選んでいるからだと思うな。背中がいいのも見抜いていると思う。

クラブの馬は出資募集のカタログが届いてからホテルに少なくとも1週間、缶詰めになって検討します。それからクラブの行う牧場ツアーに参加して、実馬を見る。そこでまた違ってくる。1年に何頭も選ばず、多くても2、3頭、納得のいく馬を選ぶこと。走る馬は自分で見つけるしかない。

出資していたオルフェーヴルの凱旋門賞は2年とも現地で見ました。1年目はラチにぶつかってしまったけど、勝っているレース。世界一の馬だと思いますし、種牡馬としても絶対に活躍するはず。ステイゴールドがそうだったようにね。

初年度産駒になる今年の2歳は出資馬がスパーダドーロ(牡、池添学)、オースオブゴールド(牝、栗田徹)の2頭。すごくいいね。はるか遠くに50~60頭の馬の群れがいてもすぐに見つけられるくらい、馬が光ってますよ。所有馬はラッキーチョウサン(牡、和田郎)、モカチョウサン(牝、中舘)。良さそうだよ。

クラブへの出資を始めて、個人馬主になって30年、私の収支はプラスです。でも、そんな人は珍しいと思う。今の夢はオジュウチョウサンを種牡馬にさせること。軽い骨折で休んでいますが、秋は中山大障害をまた勝ってほしい。馬主を目指す人には夢とロマンを持ってほしいなと思います。(この項おわり)【取材・構成=木南友輔】

◆長山尚義(ながやま・なおよし)1945年(昭20)5月25日生まれ、東京都出身。事務機器の販売やオフィスの総合管理を手掛ける株式会社エース事務機で代表取締役会長を務める。個人の馬主資格取得は85年。家族は妻と2男1女。J・G1・3勝のオジュウチョウサン、07年毎日王冠優勝チョウサンの馬主であり、クラブの会員としてはサッカーボーイ、バブルガムフェロー、ダンスインザダーク、ステイゴールド、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、現3歳ではソウルスターリングに出資している。

(2017年5月30日付掲載)

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