3世代のダービー馬対決は幻に終わったが、別なる熱い三つどもえがある。現4歳世代の皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬の激突だ。同一年の3冠レース優勝馬3頭がクラシック以降でそろい踏みするのは、グレード制導入の84年以降初めてとなる。

舞台は東京芝2000メートル。意地を見せたいのは芝2000メートルの皐月賞覇者、アルアインだ。池江師は「本当は小回りの方が合うけど」としたうえで「2000メートルはベスト」と力強い。

4歳強し、は前走オールカマーであらためて印象づけた。早め先頭から押し切り態勢も、最後にかわされ2着。勝ったのは、やはり4歳のダービー馬レイデオロだった。ただ「ちょっと距離は長かったし、内容的には良かった」。逆転への望みは持てた。

敵は同世代クラシックホースだけではない。まずは自分との戦いにも勝つ。春の香港では追い切りの際に馬場入りをごね、右回りの芝コースを逆走させて調整したほど。師は「普段から難しく、手こずるところはある馬」と指摘する。ただ、帰国後はCウッド主体から坂路とプールの併用に切り替え「いまのところ大丈夫」。この日も坂路を1本。しまいでじんわり速度を上げ、気分上々だ。「1回使った上積みは大きい。動き、反応、息遣い。だいぶ良くなっている」と師の顔もほころんだ。

昨秋以降、古馬混合G1で現4歳世代は4頭が勝利。全てがG1初勝利だったところに、層の厚さが表れている。皐月賞以来勝利から遠ざかるアルアインも、そろそろ意地を見せたい1頭だ。「状態はいいので、楽しみにしています」。4歳勢を制し、天皇賞を制する。【柏山自夢】

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